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漢方医として腕を上げる方法

2. 腕をあげるための2つの原則と1つの道具

2.3. 丸薬(丸剤)を生薬解析の道具として使う 一つの道具

処方は生薬が幾つか集まってできているのだが、甘草、茯苓、桂枝といった生薬は頻回に処方に出てくる。こういった生薬が集まってできた処方の効果をただ覚えるのではなく、構成生薬の薬理を一つ一つ押さえて処方を理解したほうが、遠回りのように思えても本当は上達の早道であることは、前回の説明で十分に理解できたと思う。

しかしながら、生薬を単味で患者さんに飲んでもらうのには無理がある。何故ならとんでもなくまずいからだ。
1回や2回は我慢して飲めたとしても、続けて飲むことはできない。そこで生薬を丸薬にすることを私は思いついた。生薬解析の道具として丸薬を用いたのだ。
味をマスキングするためには別に丸薬でなくてもいい。例えば錠剤でもいい。そこではじめは錠剤の研究をした。丸剤に比べて作りやすいからだ。生薬末に賦形剤を入れて直打すれば簡単に錠剤になる。

錠剤と丸剤の比較

錠剤は量が飲めない

錠剤は量が飲めない

錠剤は生薬を粉末にして打錠するだけで作れる。
直径7ミリ 250ミリグラムが一番飲みやすい大きさだが、投与量は1日30-40錠までで、1日量として10gが飲める限界だ。
一方の丸薬は1日20gくらいまでは飲める。だから丸剤を使うことにした。

丸薬について知ろう

私が丸薬を作っていると言うと、「葛根湯の丸薬を作っている」と従来の処方をただ丸薬にしていると思い込んでいたり、「丸薬は漢方エキスと同等に効くのですか?」などと馬鹿な質問をする漢方専門医に出くわすと私は心底がっかりする。

以前に話した通り、保険漢方医は漢方エキスの効き目ですら本当に知っている者はいないのだ。専門医試験はいったい何を試験に出しているのだろう?

丸薬現在、日本では煎じ薬をインスタントコーヒーのようにエキス末にしたものが主流だが、丸薬は昔から使われてきた。
漢方の基本的な剤形は煎じ薬、粉末、丸薬だ。粉末の場合はそのまま飲むこともあれば煎じることもある。

下記表を見ると、時代を経るにつれて漢方の古典の中に占める丸薬のパーセントが増えてきているのが分かる。丸薬を作るには生薬を粉にし、粉末を練って形を整え、乾燥させなければならないといった手間がかかるため、それほど多くは作られなかった。だが一旦丸薬にしてしまえば煎じる手間もなく、持ち運べ、さらに味を完全にマスキングできるというメリットがある。しかも保存も長期間出来る。

丸薬と煎じの違い

中薬大辞典を調べてもほとんどの生薬は煎じ、粉末、丸薬として使用できると書いてある。丸薬は日本では知られていないだけで、極めて普通の漢方薬の剤型でしかない。投与量などは違いがあってもほとんどの生薬は煎じても粉末でも丸薬でも使える。

(出典)成川一郎著「漢方の主張」より 健友館

(出典)成川一郎著「漢方の主張」より 健友館

「漢方医として腕を上げる方法」目次

1. 日本の漢方の悲惨な現状
  1. 1.1. 漢方の故郷 中国(2016.12.01)
  2. 1.2. エキス漢方の投与量はどうして1日7.5gなのか?(2016.12.15)
  3. 1.3. 保険漢方医は7.5gを超えて投与した経験がない(2017.01.01)
  4. 1.4. 漢方の理論を勉強しても腕は上がらない(2017.01.15)
  5. 1.5. 大学で保険の漢方外来をすることほど恥ずかしいことはない(2017.02.01)
2. 腕をあげるための2つの原則と1つの道具
  1. 2.1. 漢方理論を臨床に持ち込まないこと 1つめの原則(2017.02.15)
  2. 2.2. 生薬の薬能は処方の中で変化する 2つめの原則(2017.03.01)
  3. 2.3. 丸薬(丸剤)を生薬解析の道具として使う 一つの道具(2017.03.15 )
3. 漢方医はどういう方法で腕を上げてきたのだろう?
  1. 3.1. 漢方で特許を取ることは出来ない(2017.04.01 )
  2. 3.2. 華陀(かだ)はどうして名医になったのか?(2017.05.01)
  3. 3.3. 秘伝への誤解(2017.06.01)
4. 漢方医学の迷信的治療
  1. 4.1. 漢方メーカーの宣伝にのせられるな(2017.07.01 )
  2. 4.2. 日本漢方より西洋医学の病理学が大切(2017.08.01 )
  3. 4.3. 中医学は空想的(2017.09.01 )
5. 創薬の具体的な方法(独自の丸薬作り)
  1. 5.1. 未知の学問は整理と分類が大切~葛根湯の解析を例に(2017.10.01)
  2. 5.2. 漢方薬に西洋薬の分類を当てはめて利水薬を作る(2017.11.01)
  3. 5.3. 瘀血の考え方と分類(2017.12.01)
最後に
  1. 創薬の楽しさ(2018.01.01)
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