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臨床日記

【 漢方・整体施術 治療症例 】
92.原因不明の腹水の治療:59歳女性

数年前から腹水が溜まるようになった。痛みなどの症状はなかった。検査に行くのが怖いし、お金もない。仕事が忙しくて休めないのでそのままにしていた。お腹が腫れて限界に達したので、自費診療の私のところにやってきた。

お腹を触ると張り詰めた風船のように硬い。ヘソは下を向いたままで、腹壁の一部が腹壁ヘルニアを起こしているのだろう。円形に膨らんでいる。また足の静脈還流が悪いので、太ももが硬く腫れている。
男性の場合は鼠径管を通って陰嚢にも水が溜まってくる。

腹水の原因は不明

患者さんが検査を受ける気がないので、原因不明の腹水の治療をしなければならない。腹水が溜まりだして2-3年の間、痛みや黄疸といった症状がないので、特発性肝硬変と考えて治療をすることにした。

基本的に使う薬は分消湯血鼓加減だ。アルコール性肝硬変による腹水の患者さんにこの薬が良く効いたのは、アルコールを止めていたことと、肝硬変の程度が軽かったことが幸いした。

この患者さんは肝硬変が進んでいて、足もパンパンに腫れていた。こんな患者さんには分消湯血鼓加減だけでは足りずに麻黄・石膏丸などを加えて利水せねば効かない。

4か月後にはずいぶん腹水が引いてお腹も柔らかくなった。太ももの腫れもましになりズボンに皺がいくようになった。皮膚の色もきれいになった。

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分消湯の加減

分消湯の分消湯水鼓加減(水の飲みすぎ、余分な水は消化管の中にある)と分消湯血鼓加減(腹水)では処方が違う。白朮と茯苓は腹水には邪魔らしく血鼓加減ではわざわざ抜いてある。

以前、分消湯血鼓加減中の利水剤(大腹皮、灯心草、猪苓、沢瀉、蒼朮)を集めたて血鼓利丸と名付けて使ってみたが、少なくとも腹水を取る作用は見いだせなかった。つまり、利水作用は理気剤や駆瘀血剤などの総合した作用なのだろう。

峻下逐水薬

峻下逐水薬腹水を抜くにはもう一つの方法がある。峻下逐水薬(しゅうんげちくすい)だ。

牽牛子(けんごし。ヒルガオの種)を用いて強烈な下痢を起こして腹水を抜く方法だ。脱水になるから腹水が抜ける。ただし、体力を消耗するので頻回に繰り返すわけにはいかない。

ボトルは牽牛子(ヒルガオの種)と蘆薈(ロカイ、アロエのこと)を含む峻下逐水薬だ。

癌による腹水でも分消湯血鼓加減は効くのか

癌の腹膜播種がおこって腹水が溜まる場合にも、分消湯血鼓加減で腹水を減らすことができるが、漢方の抗がん剤との併用が必要だ。

ただし、分消湯血鼓加減には当帰、芍薬、紅花、牡丹皮などが入っているので、これに蘇木を加えれば、通導散に含まれる枳実、厚朴も入っていることから極めて通導散に似た処方になる。

分消湯血鼓加減は丸薬がいい

腹水を治療するのに煎じ薬は向かない。煎じ液を飲むと、水を多く摂取することになるからだ。その点、丸薬は水の摂取が少なく、生薬の量も三分の一くらいで済むから理想的な腹水治療薬といえる。

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