漢方治療
慢性前立腺炎
疾患・症状
膀胱と尿道がつながる場所に、尿道を取り囲んで前立腺という臓器があります。前立腺の生理的な作用は不明ですが、老化と共に肥大し、尿道を圧迫することが知られています。
この前立腺に細菌が入り込んで炎症を起こすことを前立腺炎といいます。
急性の前立腺炎は抗生物質で治療しますが、慢性になると治りにくくなります。慢性の前立腺炎でも無菌性、つまり検査によって細菌が発見されない前立腺炎には有効な治療法はありません。下腹部の不快感、ソケイ部や会陰に鈍い痛みや不快感があり、頻尿や残尿感が出現し、排尿時にも不快感が出てきます。
西洋医学での主な治療
慢性前立腺炎の治療には、膀胱の筋肉の緊張を弱めるセルニルトンや抗生物質、向精神剤などが使われますがあまり効きません。
無菌性の慢性前立腺炎は治りにくい病気の一つです。
香杏舎銀座クリニック
での治療
無菌性の慢性前立腺炎は2つの要素からなっていると考えています。
まずうっ血です。前立腺は腹腔の一番下にあるため静脈血が溜まりやすく、下腹部の不快感が起こってきます。
さらに無菌性だと言っても細菌や白血球がみつからないだけで、炎症が起こっていると想像しています。さらに、長引く炎症で繊維芽細胞の増殖などによる組織の変化も起こっているはずです。
治療は血液の流れをよくして炎症を抑える牡丹皮(ぼたんぴ)を中心にして、桔梗(ききょう)、枇杷葉(びわよう)を加え、さらに硬くなった組織を柔らかくする生薬を加えた丸剤で治療します。
漢方がよく効く病気の一つです。
※症状がひどい人には会陰に鍼を打つことがあります。よく効きますが、場所が場所だけに希望者以外には鍼をしません。
保険漢方薬では猪苓湯(ちょれいとう)も使用されますが、効果がないようです。
平均治療期間
2~3か月
実際の症例
O.T. 様(59歳)男性
泌尿器科からの紹介患者さん。バクター、セフゾンなどを投与したがよくならないので来院。
丸剤の服用で1か月で症状が消失。念のためさらに2週間薬を飲んでいただいて完治しました。
T.T. 様(66歳)男性
長期間に渡って慢性前立腺による下腹部の不快感に悩んできました。少量の瘀血(おけつ)を取る漢方丸薬を飲むことで不快感は消失しました。調子がいいので1年以上にわたって飲み続けています。
疾患別症例一覧
この他の具体的な症例は「臨床日記」で
ご確認ください。
診察予約はお電話で
患者さまお一人お一人にゆっくり向き合えるように
で診察を行っています。
診察をご希望の方は、まずお電話ください。
03-6228-6763
(電話対応時間)
月~金 10:30~17:00 / 土 10:00~13:00