整体治療

近年の肉体疲労

マッサージや整体が効かなくなってきた

マッサージ、整体、按摩といった治療法は3千年以上の歴史があり、現在でも技が受け継がれて世界中で治療が行われています。確かにこれらはよく効く治療法ですが、以前より効かなくなりました。
どうしてなのでしょうか?

それは、ここ数十年の間に私たちの体質に急速な変化が起ったからです。
その変化とは、筋肉が硬くなったことです。

労働の変化が
筋肉を硬くする

筋肉の収縮の仕方には2種類あります。
等尺性筋収縮と等張性筋収縮です。

どちらも筋肉が収縮することに変わりはありませんが、筋肉の長さが変わらずに筋肉が収縮することを等尺性筋収縮と言い、筋肉が伸びたり縮んだりするのを等張性筋収縮と言います。

上腕二頭筋上腕二頭筋を例に説明してみましょう。
上腕二頭筋とは写真のように力こぶを作る筋肉のことです。ダンベルを持って腕を動かすと筋肉には常にダンベルの負荷がかかり、上腕二頭筋は負荷を受けながら収縮と伸展を繰り返します。
これが等張性筋収縮です。

もしダンベルを手に持ってぶら下げているだけなら筋肉は動きませんが、ダンベルの重さがかかり収縮しています。これを筋肉の長さが変わらないことから等尺性筋収縮と言います。

つまり筋肉の収縮にも筋肉が伸びたり縮んだりする収縮とそうでない収縮があることが分かります。
日常の動作では、この2つの筋収縮は独立して行われているのではありません。筋肉によって、どちらかの要素が強い運動をするとしましょう。

例えば、ツルハシを振り下ろすような動作の場合、腕の筋肉は収縮と伸展する運動の要素が大きく、腰や背中、膝の筋肉はその長さを変えず、緊張している運動の要素が大きくなります。

産業革命までの労働

18世紀から19世紀にかけて産業革命が起こり、蒸気機関車や内燃機関が発明されるまで、人類は日々辛い肉体労働をしていました。

江戸時代、庶民は1日2万7千歩も歩いていました。日常生活では水汲みや野良仕事で激しく筋肉を使い、そのほとんどは筋肉が伸びたり縮んだりする等張性筋収縮だったのです。

そういった肉体労働は、1960年の半ばを過ぎてから減ってきました。車が普及し、洗濯機、冷蔵庫などが各家庭に行きわたるようになって、多くの人々は日々の厳しい労働から解放されたのです。

パソコンの普及による労働の変化

1995年にウインドウズ95が発売されると、パーソナルコンビューターが世界中で使われるようになりました。

それに伴って、筋肉が激しく伸び縮みする肉体労働(等張性筋収縮)は大きく減り、姿勢を保つ運動(等尺性筋収縮)が日常の労働の中で多くを占めるようになりました。
例えば会社でパソコンを使う人の場合、背中の筋肉は長時間にわたって等尺性筋収縮をしていることになります。

農作業でも鍬を持って畑を耕すといった動作からトラクターで開墾するという動作に変わると、トラクターの運転席で背筋を伸ばして座っているだけの動作が中心になりました。

つまり、労働は等張性筋収縮から等尺性筋収縮へ変化してきた、ということになります。
現在、労働の大半を等尺性筋収縮が占めます。ここ何十年かの間で筋肉の収縮の仕方が劇的に変わったことは容易に理解できるでしょう。

筋収縮による疲労の違い

現在の労働は以前ほど過酷ではありません。畑を耕すよりデスクワークの方がはるかに楽です。
けれども、等尺性筋収縮を長く続けた筋肉の疲れを取るのは難しいのです。

等張性筋収縮の場合は、筋肉が常に収縮と伸展をしているので、筋肉のポンプ作用のおかげで血流が途絶えることなく疲労物質を洗い流しています。さらに伸縮運動により筋肉の弾力も保たれています。
だから疲労で硬くなっていても、マッサージでも容易に凝りを解消することができるのです。

一方、等尺性筋収縮が長く続いて疲労した筋肉を回復させるのは容易ではありません。
常に筋肉が収縮した状態にあるので、筋肉は弾力を失い硬くなっています。疲労物質が筋肉の伸縮によるポンプ作用で洗い流されることもないので、従来の治療法では筋肉を匙らせることが難しくなりました。

こういった仕事の質の変化に加え、老化による筋肉の硬化も治療を難しくしている原因のひとつです。

老化による筋肉の硬化

老眼は眼の毛様体筋の硬化が原因歳を取ると誰しも筋肉が硬くなることを知っているでしょう。背中を反らしても若い時ほどには反らすことができなくなります。
では何時から筋肉の硬化が始まるのでしょう。
それは老眼が起こってくる年齢からです。

私たちが近くを見ようとすると、目の焦点を合わせるための毛様体筋が収縮し、図のように水晶体が縮んで分厚くなり、近くの物を見ることができます。
毛様体筋が弾力を失えば、老眼鏡をかけねばならなくなります。
老眼が顕著になってくるのはだいたい45歳くらいでしょう。その頃から体全体の筋肉も硬くなっていくのです。

江戸時代、平均寿命は50歳くらいだったと言われています。このことは筋肉の硬化が本格的になる前に、多くの人はこの世を去っていったことを意味します。

つまり、マッサージ、整体といった治療法は、老化による硬化がそれほど進んでなく、また日常の労働によって弾力が保たれた筋肉を対象に、発展してきたことが分ります。
言い換えれば、現在のように高齢化が進み老化した筋肉を治療する技術としては発展してこなかったのです。

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