【 漢方・整体施術 治療症例 】
77.アルコール性肝硬変:49歳男性
バーを経営している。2-3年前から腹水が溜まるようになり、病院で検査を受けたところアルコール性肝硬変と診断された。医者は「半年の命だ」と言ったという。
アルコール性肝硬変は毎日7合以上の酒を飲み続けて10年すると25%の人が、15年で50%の人が肝硬変を発症する。
この男性は仕事上、仕方なく酒を飲んでいたというが、やはり酒好きなのだと思う。腹水が溜まって臍が腹水のため飛び出している。だが肌がきれいで、肝硬変の初期の患者だ。医者は「あと半年の命だ」と言ったというが、酒を止めさせるために言ったのだろう。
私は患者さんに「初期の肝硬変だ。あなたを長生きさせることはできるが、おそらくあなたはお酒を止めることができないから治らないだろう」と言った。
肝硬変には分消湯血鼓加減(ぶんしょうとうけっこかげん)
山本先生は肝硬変には分消湯血鼓加減がいいと教えてくれた。
だが腹水がひどすぎる場合は麻黄や石膏などが必要になる。この患者さんは分消湯血鼓加減しか出していない。もちろん肝硬変の場合は駆瘀血剤に紫根を足して線維化した肝臓を柔らかくしてやらねばならない。
肝硬変が進行すると足が腫れて歩けなくなる。男性だと陰嚢水腫も起こってくる。白黒の写真の患者さんは陰嚢水腫のため椅子に座ることが出来なかった。治療により陰嚢水腫がかなり小さくなった。
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肝腎症候群
以前、四国から来ていた86歳の特発性の肝硬変の患者さんは完全に腹水が取れて薬を飲まなくてもいい状態になったが、何か月かして肝腎症候群を起こした。長期に続く肝硬変は腎臓にも影響を与える。
アルコールと肝障害
アルコール性肝硬変はお酒さえ飲まなければよくすることができる。最近、診ているアルコール性肝硬変の人はお酒を止めているのでよくなっている。
バーを経営しているこの患者さんには、お酒の吸収を抑える薬とウコンを出すことにした、ウコンはタクアンを黄色に染めているターメリックでもなければ中国の川玉金(せんぎょくきん)でもなく、春ウコンというターメリックの亜種で、沖縄で盛んに使われている。
春ウコンを有名にしたのは農水省のお役人だった三沢穰(まこと)氏で、町田の自宅まで訪ねたことがあり、沖縄にも調査に出かけた。確かに酔いによく効く。写真は打錠した自家製の春ウコンだ。
保険漢方医は五苓散や柴苓湯を処方するな
この患者さんには五苓散が効いていると前医から紹介を受けたが、効いていなかった。
保険漢方医は硬膜外血腫に五苓散、癌の腹水に五苓散、水が溜まったどんな病気にも五苓散が効くと漢方メーカーから信じ込まされている。
考えてもみて欲しい。
もし五苓散が効くにしても病気の種類や重症度に応じて五苓散を加減して投与しなければならない。とくに漢方薬は天然のものなので薬効がばらつく。
ところが保険の五苓散は7.5gしか投与できないのだ。量を増やすことは禁止されている。化学合成され構造式の分かった薬でさえ薬が効かない場合は増やすことができる。そんな一定量しか出せない五苓散が効くはずもない。
最近、中心性漿液性脈絡網膜症で眼底に水が溜まっている患者さんが来た。
保険漢方医から柴苓湯(五苓散合小柴胡湯)を1年間投与されていたが、水はまったく引かなかった。ところが分消湯丸を3か月飲んだら水が完全に引いた。その話をすると眼科医は急に不機嫌になったという。
漢方メーカーは新しい薬を作れないので、五苓散やその加減である柴苓湯を売るためにどんな病気にも効くと宣伝していることに医者はどうして気づかないのだろう。
アルコールと私
私のブログを読んでくれている人は、私がかなりのワイン(アルコール)好きだと誤解しているのではないかと思う。
私は普段一切お酒を飲まない、家でも外食時もワインもビールも飲まない。飲むのは年に2回-3回、ワインの会の時だけだ。私のように飲めるけど飲まない人をアメリカではSober Curios(しらふに興味がある)という。
そんな私だが、ワインの味は分かる。
好きなのはピノ・ロアールで、好みはナポレオンと一緒だ。ブルゴーニュの年代物のワインが特に美味しいと思うが、とても高いらしい。
ワインの会にワインを提供してくれるのは私の友人で、私はワインを買ったことがない。7人でのワイン会では49個のワイングラスを彼が用意した。
どのワインがどんな料理に合うかを検証するゲームなので、私がワインに合いそうもない鰻料理や、トリガイと酢味噌、鱧に梅肉などをお店に頼んで出してもらい、どの料理にワインが一番合うのかを楽しむゲームだ。だからワイングラスも7種のワインに合わせて49個いる。
普段、お酒を飲まなくてもこんな楽しみもできるのだと思う。
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77.アルコール性肝硬変:49歳男性 - 2022年08月01日
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