第306回「インド人のドクターに声をかけられる」
地下鉄の恵比寿駅で電車を待っていると、インド人と思われる中年男性に声をかけられた。「キュービスに行きたいのだが、この電車でいいのか」という。私が「そんな場所はない」と答えると、「東京国際フォーラムだ」という。それならキュービスではなくて、京橋だとわかった。
話をしていると自分はインドの医者で、東京国際フォーラムで学会発表をするという。実は私も同じく医者だといって握手をした。
「専門分野は何か?」と聞くので、漢方医だと答えた。「私はインドのギムネマシルベスタを使うこともある。インドで糖尿病に使うだろう?」と言うと、知らないという。西洋医学専門の医者らしい。ヘタな英語でしゃべっているのに英語が上手いとほめてくれる。
外国語をしゃべれるようになるのは1000時間必要だ
基本的に1000時間練習すれば簡単な日常会話ができるようになる。
アメリカ軍は第2次世界大戦の時、ヨーロッパに兵隊を送り出すために1日10時間、3か月間外国語を学ばせた。そうすることで、簡単な交通整理など基礎的な言語を学ぶことができた。
それを真似して私は60歳の時に1日1時間、1日も休まずに3年間英語を学んでみた。すると昔の英語能力がよみがえってきた。1000時間というのはヨーロッパの移民で現地語がしゃべられない人を教育する基準にもなっている。
名前を知りたいから名刺を見せてくれ
私の名前が知りたいというので名詞を見せた。するとM.D. Ph.D.(Docter of Philosophy)と書いてあるのを見て、お前は学位を持っているのかと驚いた。
博士号をもっていなければ海外ではどんなに優秀でも実験補助であり、大学の駐車場でさえ学位のある人より遠くに停めなければならない。
日本では専門医を取る人が多い。専門医、指導医といった経歴は少なくとも海外では高く評価されない。私は専門医の入り口の認定内科医さえ捨ててしまった。自費診療なので、そんなものは必要ないからだ。
- 第306回「インド人のドクターに声をかけられる」
- 2024年07月20日
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