第307回「C63AMGはクラシックカーになる」
クラシックカーが生まれるためには多くの偶然が重なりあう必要がある。2012年、12気筒の6,300ccのエンジンをコンパクトなCクラスのボディに無理矢理に詰め込んだメルセデスC63AMGが作られた。円が1ドル78円という時代にもかかわらず値段は1,500万円と高価だった。

SLK350
当時、私はオープンカーに夢中で、メルセデスのSLK350(V6、3500ccエンジンン)に15年ほど乗っていたが、ヤナセの下取り価格は10万円だった。
その次は、廃番になっていたSLC‐AMG(V8.4000cc)のバリオールーフのオープンカーを買った。初めての車検費用を聞くと、AMGになると車検費用が何倍も高くなるので売ってしまった。
メルセデスC63AMGには興味がなかった。ただ2人乗りでは家族の移動にも困るので、排気量が2000ccのコンパクトメルセデスベンツを買った。外観も内装もC630AMGと一緒でエンジンが4気筒と小さかった。車高は一般のメルセデスより2センチ低かった。

C63AMG
それでもやはりC63AMGが欲しくなり、ヤナセのブランドスクエア(ヤナセの保証のつく中古車店)で探してもらったが、1台も売りに出ていなかった。
他の中古車屋では800万円くらいで売られていた。将来値段が上がるから無理して投資目的で買おうと思ったが保証がつかないので止めた。
車の性能をどう捉えるか?
ポルシェ930ターボという車がある。もう40〜50年近く前に作られた幅の狭いポルシェ(ナローポルシェ)でV6の3000ccだ。大きなテーブルのようなテールフィンがついていると言えば分かるだろう。高いものだと2500万くらいする。メルセデスC63AMGも今ではそのくらいの値段がするが、もっと高くなるだろう。何故なら大人5人が乗れるスーパースポーツカーだからだ。スポーツカーは2人乗りと相場が決まっていて、幅が広くて走りにくい。C63AMGは車幅が178センチ長さは4メートル50センチほどだから取り回しがいいから街中でも駐車場でも困らない。

見た目はC63AMGと同じだがエンジンは2000cc
エミッションコントロールがうるさく言われる時代、ヤナセの作る現代版C63AMGの排気量はたったの2000ccだ。ツインターボでとても早いと言うが、そんな車を1500万円で買う人の気持ちが分からない。
ベンツのボディにバカラのクリスタルを貼り付けたり、車を黄金で飾りたてたりする人もいる。最近、ロールスロイスのフライングレディを黒く艶消しにしているのを見かけた。それを美しいと感じるかどうかは別にして車の性能とはまったく関係ないものだ。
メルセデスC63AMGはもう10年もすれば5,000万円の値段がついてもおかしくはない。だから部品が豊富にある今のうちにミントコンディションにしておくほうがいい。
フロンテクーペ
私は以前、スズキのフロンテクーペに乗っていた。有名なデザイナーのジウジアーロが基本設計した車だ。発売当初は45万円だったが、最近では300万円するものがあるから7倍になっている。
乗り心地はハードでとてもスポーティな車だった。運転席のドアを開けると地面がすぐそこにあり、体を傾けることなくタバコの火を地面で消すことができた。ジウジアーロは軽四が好きでアルトを日常の足に使っていたという。私には軽四が似合うのかも知れない。

フロンテクーペは、とてもとても小さかった。
- 第307回「C63AMGはクラシックカーになる」
- 2024年07月25日
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