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香杏舎ノート

第62回「芯熱」

「先生、熱があってしんどいんです。平熱は35.4度なんですが、36度2分もあるんです。」

「医学では37度以上に体温が上がるのを発熱と定義していますよね。体温は一日のうちで1度くらいは変化するんです。これを日内変動と呼んでいます。37度までの体温の変化をどう意味づけるかは、私もわからないんです。少なくとも熱があるとは言えないですが。」

「でも体の芯に芯熱があるんです。ポーとのばせるんです。」

「うーん、熱は結構むつかしいんです。不明熱というのを知っていますか」

と私は芯熱を訴える患者さんとの話を続けた。

不明熱

「そもそもなぜ熱が出るかわからないことも多いんです。風邪を引いたり、膀胱炎のように体に黴菌が入ったときに熱がでることはよく経験します。でも膠原病や悪性腫瘍、肺栓塞症のような病気でも熱がでるんです。3週間以上にわたって原因不明の38度以上の発熱をくり返す状態を不明熱(FUO = Fever Unknown Origin)と呼んでいます。熱が出るので入院して1か月もかけて検査しても原因がわからず熱がさがらないこともあります。あなたのような芯熱を訴える人は女性に多いようです。西洋医学では病気と見なされないため詳しい検査を受けた人はいませんが、ひょっとすると慢性の膀胱炎でもおこしているのかもしれません。女の人は男の人に比べて尿道が短いので、膀胱炎を起こしやすいですから。」

西洋医学しか知らないときの私は芯熱を多分に神経症的な病気と考えていた。それは次のような出来事を経験したからだ。 大学で働いているとき1年先輩の医者がいつも体温を測っていた。1日に5~6回は測っていただろう。当直室やカンファレンスルームの片隅で体温計を脇に差し込んでいる姿を目にした。37度1~2分位までの体温の上昇があり、それがとても気になるようだった。1か月くらいたったある日、先輩の医者は上司の助教授のところに相談に出かけた。 「こんな熱が長く続くのは異常じゃないでしょうか。」この言葉を聞いて、助教授は微笑みながら「大変な異常や。1日に5~6度も体温を測る、これは頭の異常や」と笑いとばしてしまった。

漢方での熱

漢方を勉強しはじめてみると、体の冷えや熱を大変重視することがわかった。もちろん体温計などない時代に漢方は発達したから、医者の手の感覚や患者さんの自覚症状によって熱の有無が判断されてきた。単に体全体の熱のみならず体の部分の熱なども問題にする。たとえば上半身がのぼせて足が冷える、いわゆる冷えのぼせは、漢方のみならず日常でも話題になるからわかりやすい。 だが本を読んでいると、いろんな熱が出てくる。たとえば五心煩熱、「手のひらや足の裏が熱をもち、暑くて困る状態」と書いてある。本来なら手先、足先のほうが体幹 より冷たくなるはずなのだが。本当にそんな患者さんがいるのか。いろいろ聞いてみると確かにいる。体の水分が抜けてしまったような痩せて色の黒い患者さんに多い。 「足が暑いので、冷たい物に足を押し当てていると気持がいい」という。こういう患者さんを治すのにはどうしたらいいのだろう。そう思って本を見ると滋陰降火湯(じいんこうかとう)を使いなさいと書いてある。水分が蒸発して熱をもった体を潤して熱(火)を冷ます、そんなイメージの薬だなと思って使ったらよく効く。熱といっても西洋医学の熱とはずいぶん違う熱がある。37度という体温の基準にとらわれすぎてもいけないのだと思うようになった。そう思うと芯熱が気になってしょうがない。たぶん漢方では芯熱の患者さんも37度 以上の熱のある患者さんも同じように治療されてきたに違いない。そこで芯熱の患者さんも普通に熱があると考えて解表剤という薬で治療するとよくなる。やはり何処か異常をきたしているのだ。

西洋医学でも芯熱は異常

ある教授の退職記念パーティーに出席していると、生理学の教授が声をかけてきた。 その教授は体温の専門家だった。これはいい機会だと芯熱のことを聞いてみようと思った。西洋医学では芯熱や五心煩熱はもちろんのこと、冷え性さえ病気とはみなされていない。だから質問には多少の勇気を必要とした。「そりゃ異常と考えるべきだろう。人の体温というのは思いのほか一定に保たれているものだから。なにも37度を越えなくとも異常だよ」と返事をしてくれた。 この答えを聞いて私はほっとする思いがした。患者さんを治療していく上で既成の概念にとらわれてはいけないし、かといって一人よがりの治療になってもいけない。やはり芯熱は治療すべき状態なのだと確信することができた。

私の経験

熱は詐病に使われる。体温計をタオルでこすって摩擦熱で熱があるようにみせかける。 病気でいることで人から優しく扱われたい子供にみられる。そんな詐病を経験をしたことのある臨床医はますますもって芯熱を疑うようになる。

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