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漢方医として腕を上げる方法

はじめに

患者さんからいただいた根付けの狛犬

患者さんからいただいた根付の狛犬。患者さんは自分のために骨董品の根付の狛犬を買ったのだが、狛犬をみていると、丸剤を自慢する日笠先生に思えてきたのだという。

漢方医なら誰しも他の医者が治せない病気を治せる腕を持ちたいと思うはずだ。幸いなことに漢方医学では新しい薬を開発するのは個人の漢方医で、これは古来より変わらない。

西洋医学では製薬会社が新しい薬を作って特許を取り薬として売り出す。漢方医学では漢方医が工夫して生薬を組み替えてよく効く薬を作っていく。また昔からの処方でも新しい使い方を発見することもある。例えば消化器の手術後の腸の動きをよくする大建中湯は今ではどんな外科医でも使っているが、この使い方を初めて発表したのは私の師である山本巌先生だ。

漢方には新しい薬を作れる余地が無限にあるし、新しい使い方も沢山ある。どうすればそういう環境を作れるのか?どうすればそういう方法論を確立して新しい薬を効率よく作っていけるのが今回のテーマだ。

「漢方医として腕を上げる方法」目次

1. 日本の漢方の悲惨な現状
  1. 1.1. 漢方の故郷 中国(2016.12.01)
  2. 1.2. エキス漢方の投与量はどうして1日7.5gなのか?(2016.12.15)
  3. 1.3. 保険漢方医は7.5gを超えて投与した経験がない(2017.01.01)
  4. 1.4. 漢方の理論を勉強しても腕は上がらない(2017.01.15)
  5. 1.5. 大学で保険の漢方外来をすることほど恥ずかしいことはない(2017.02.01)
2. 腕をあげるための2つの原則と1つの道具
  1. 2.1. 漢方理論を臨床に持ち込まないこと 1つめの原則(2017.02.15)
  2. 2.2. 生薬の薬能は処方の中で変化する 2つめの原則(2017.03.01)
  3. 2.3. 丸薬(丸剤)を生薬解析の道具として使う 一つの道具(2017.03.15 )
3. 漢方医はどういう方法で腕を上げてきたのだろう?
  1. 3.1. 漢方で特許を取ることは出来ない(2017.04.01 )
  2. 3.2. 華陀(かだ)はどうして名医になったのか?(2017.05.01)
  3. 3.3. 秘伝への誤解(2017.06.01)
4. 漢方医学の迷信的治療
  1. 4.1. 漢方メーカーの宣伝にのせられるな(2017.07.01 )
  2. 4.2. 日本漢方より西洋医学の病理学が大切(2017.08.01 )
  3. 4.3. 中医学は空想的(2017.09.01 )
5. 創薬の具体的な方法(独自の丸薬作り)
  1. 5.1. 未知の学問は整理と分類が大切~葛根湯の解析を例に(2017.10.01)
  2. 5.2. 漢方薬に西洋薬の分類を当てはめて利水薬を作る(2017.11.01)
  3. 5.3. 瘀血の考え方と分類(2017.12.01)
最後に
  1. 創薬の楽しさ(2018.01.01)
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