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臨床日記

46. 顔面打撲:51歳女性

顔面を打撲して7日目に来院。
CTでは異常がないが、額が腫れあがり、頭痛と首の痛みがある。打撲には治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)という薬があり、打撲には不思議なほどよく効く。
私は治打撲一方の中の撲樕(ぼくそく)や川骨(せんこつ)だけでなく、蘇木(そぼく)、桃仁(とうにん)牡丹皮(ぼたんぴ)といった瘀血(おけつ。体の中に溜まった不要な血液)を取る生薬を混ぜた強力な打撲の薬を作っている。

15分テスト

瘀血を取る薬を飲んでもらって15分テストをした。
15分テストとは私の師匠である山本巌先生が考えた方法で、薬を飲んでもらって15分から30分で薬が効いたか判断する方法だ。漢方薬が患者さんの症状に合っていれば、そのくらいの時間でも反応が出る。薬理学的にはそれほど速い時間で血中濃度が上がるとは考えられないが、実際にやってみると確かに反応が出る。

この患者さんは内服後施術を受けていたので、打撲の薬を飲んでから1時間後の写真だ。額の腫れ、目の下の出血班が薄くなっていることがわかる。

頭痛と首の痛み

患者さんは頭痛と首の痛みを訴えていた。転倒すると体が鞭のようにしなり、頸椎がずれる。これが頭痛や首の痛みの原因だ。背骨のずれをなおすことで、傷とは関係なしに痛みが取れ顔の出血班は額から流れた血液によるもので、ほとんど消えたが、額の血腫は以前より大きくなっている。

瘀血をとる薬は不要な血液の吸収を促進するが、止血する作用はない。
この患者さんの場合、前頭骨からの出血が止まらないのだろうと思い、外科に行くように指示した。外科では切開して血を抜き、ガーゼを当ててしっかり圧迫するように言われたという。

この時から止血丸という私の作った薬を大量に投与した。
西洋医学には飲み薬で止血作用の薬はない。艾葉(がいよう)、地黄、阿膠(あきょう)、蒲黄(ほおう)などを入れて作った丸薬だが、すごくよく効く。子宮からの不正出血、潰瘍性大腸炎の下血などに効果を発揮してきた。2週間でようやく傷は治った。
以前は田七人参を止血に使っていたが今は手に入らない。

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最強の止血薬 田七(でんしち)人参

1985年頃 漢方の師匠である山本巌先生の診療所を訪ねた。
当時、血友病患者に血液製剤を投与するとエイズを発症する危険があり、血液製剤が使えない状況になっていた。

血友病は凝固に必要な第8因子が生まれつき欠如していて、怪我をすると出血がと止まらず亡くなる可能性がある。そんな時に血液製剤を投与する。

雲南白薬

山本先生は薬棚から雲南白薬を取り出して見せてくれた。通院する血友病患者にこの薬を使うことで1年間血液製剤を使わずに済んだという。
雲南白薬はベトナムと国境を接する中国の雲南省で採れる有名な止血薬だ。瓶の中身は田七の粉末だが、瓶の蓋に仁丹のような小さな赤い球()がついている。これが緊急の時に非常に良く効く。

ベトナム戦争の時、中国軍が田七を持って北ベトナムに入り、それを銃傷の止血に使っていた。それをベトコンが使い、米兵も使った。先生は田七を輸入して粉にして使い始めた。
日本では売っていなかったので、友人に頼んで手荷物で持って帰ってもらって、使うとびっくりするほど効く。そのうち輸入されるようになり、国内で売られている物を使ってみたが、効いたり、効かなかったりするという。

私も使い始めた。ある時、白血病の出血に使ったら見る間に出血が消えていった。だがロットのばらつきが大きくてどのロットが効くか分からない。

噂では日本に輸出する田七はボイルして栽培できないようにしてあるから効かないと言う。(熟田七)そこで中国へ調査に行くことにした。
北京の王府井(ワンフーチン)にある大きな生薬店に行き、畑ごとに作られた田七を分けて買いたいと言ったが、各畑の田七を混ぜて売っているとのことだった。

雲南省に行くと畑には「金不換(金では買えない)」との立て看板があり、厳重に管理されている。その畑の中で特に効く田七が作られているのだろう。中国人の友人に雲南省まで行って調査して欲しいと頼んだが、少数民族が暴れていて殺されても死体も出ないほど治安が悪いと断られてしまった。

田七の臨床実験

小さな病院に勤務していた私は、職員の協力を得て出血時間と凝固時間を測定した。
田七は凝固系に効くのかそれとも血管の収縮などに効くのか知りたかった。男女6人ずつ(合計12名)の平均で

  • 出血時間は 3分28秒から 1分30秒に
  • 凝固時間は11分28秒から 10分42秒に

短縮した。わたしの出血時間は4分から0分になった。
薬の指示書に銃傷に使えると書いてあるはずだと思った。

私はそのデータを使って特許を取りたいと思った。勤務医の私には研究資金がないので、特許をとって資金を得たいと思ったのだが、すでに小さな会社が特許を取っていた。
そうするうちに田七の知名度が上がるにしたがって、日本に輸入される量が増え、どのロットも止血作用がなくなり、業者は止血作用ではなく滋養作用で田七を売り込み出した。その時点で田七を諦めることになった。

代わりの止血剤を作る

漢方医をしているとどうしても手に入らない生薬がある。そうなると自分で処方を作るしかない。私の作った止血丸を使って確かめたら、田七にも負けない効果があることが分かった。

しかし、最近、この薬の中の阿膠の値段が高騰して手に入らなくなって来た。
阿膠はニカワで、動物の皮を煮て作られる。山東阿膠(さんとんあきょう)といって山東省のロバの膠が最高品質だが、これが美肌にいいと中国でブームになると絶滅が心配されるほどロバが殺され、アフリカロバも殺されている。
生薬は天然のものだけに生薬ハンターとしての努力が欠かせない。

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