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漢方医

第11話「技を伝承する難しさ」

世間の人は驚くかもしれないが、鍼灸や柔道整復、マッサージの学校を出ても患者さんを治療できない。卒後の研修制度がないので何もできないのだ。いい師匠について経験を積まねば上手にはならない。
ところがこういう徒弟制度が必要だという認識すら学生の中から抜け落ちてしまった。鍼灸学校や柔整学校に通っているのにまるで大学生の就職活動の感じで仕事を探している。私の所に就職を求めて来た鍼灸学校の卒業生を例に上げて説明しよう。

学生「先生の所では鍼灸や整体をも学べるし、漢方も勉強できると思い応募しました。」

「ところで君はうちに勤めてからどうしていきたいのだ。無論、独立の夢があると思うけど?」

学生「先生の所に2~3年勤めて独立したいと思います。」

「学生時代は鍼灸院で見習いをしていたのか?君は昼のクラスだから午後1時には終わるだろう。」

学生「時給のよい居酒屋でアルバイトしていました。鍼灸院で働いたことがありません。」

kan2_11_1「ところで鍼灸師の資格を持っている人で、鍼灸師として働いている人は何パーセントくらいだと思う?たった30%しかいないのだよ。」

学生「えっ、本当ですか?その人たちは何をしているのですか?」

「鍼灸では食べていけないから介護の仕事やタクシーの運転をしている人もいる。何故食べていけないかというと学校では技術を教えてくれないからだ。食べていける技術はそう簡単に教えてくれるものではない。教える側にしてみれば、教えれば教えるほど商売敵が出来てくるわけだから、誰も容易には教えてくれない。私は医者で鍼灸だけを専門にしてないから教えるのに抵抗が無い。だが、技術を教えるといっても2~3年では難しい。どう体が歪んでいるのか、どこがツボなのかなどは何度も体験して会得しないと覚えられない。教科書を読むようなわけにはいかない。」

昔は鍼灸学校に通う学生は入学と同時に鍼灸院に勤めた。3年間手伝いをしながら修行し、資格を取った後もお礼奉公をしてから独立した。それを大学生の就職活動のような感覚で来られては教える方も気が滅入ってしまう。学生の責任ばかりではない。学生を教える実力ある先生も少なくなった。

資格学校の乱立

今から10年位前まで鍼灸学校はほとんどなかった。西日本では大阪より西では四国と九州に1校ずつしかなかった。
なぜかというと厚生労働省は鍼灸学校を目の不自由な人の専門学校と考え、健常者の学校を作らせなかったからだ。時代が変化して健常者の鍼灸師の需要も高まったと考えた厚生労働省は設立の基準を緩めたために沢山の鍼灸学校ができた。学校が増えたために技量のある先生も急増した学生を教えられなくなった。

柔道整復師の学校はもっとも急速に学校が増えた。福岡県にある学校が柔道整復の学校を設立しようとしたが、厚生労働省は認可しなかった。ところが行政訴訟を起こされて負けてしまった。それから学校が急増してここ10年で学校数は14校から98校になり、柔道整復師の数が50%も増えた。昔は神業的な手技を持つ柔道整復師もいたがここまで多くなるとそれを広く伝承する人材をそろえることができなくなってしまった。

整体院の話もしておこう。以前はマッサージ師や柔道整復師といった資格がなくては患者さんを治療することが許されていなかった。だが最高裁判決で、[人の健康を害さないなら無資格者でも人の体に触れることができる]とされた。それから沢山の無資格者の整体院がオープンした。

情報理論ではあまりに情報が多くなるとそれは雑音になってしまうというのがある。
多くの人たちが痩せる、ウエストが細くなる、美容鍼など奇妙な効能を掲げて仕事をしだしたので、何が正しくて何がおかしいのかも分からなくなってしまった。そんな中で経験を積まない人たちがどんどん開業していくから鍼灸や整体もたいしたことないとの評判が立ちはじめている。
腕のある先生方は迷惑しているし、腕のある先生もこれだけ増えると生活を圧迫されるから技術を教えなくなった。

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