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漢方医

第14話「東京へいく決心をする」

ある日、診療所の向かいにある八の宮神社をぼんやり眺めていた。
神戸には一の宮から八の宮までの神社があり、三宮は三の宮がある地名に由来している。
私が開業したての頃、妻が診療所を見に来て軽い眩暈を感じたという。それほど開業には不適な場所だ。人通りもほとんどなく、建物が奥まっているから分かりづらい。
そんな場所でも私は楽しく診療してきたわけだが、少なくとも正しい漢方や鍼灸について情報発信するには場所を変えなければならないと確信した。

kan2_14_1そうだ。東京に行こう。
丸剤のことや整体のことを皆に知らせたい。
そうでなければ日本の漢方医学は死んでしまう。

もしうまくいかなければそれでもいい。漢方医前編でも述べたように人生は川の流れの中を流されていくようなもので、時代の変化という流れには逆らえない。
私は自費診療が禁止された時代を生き抜いてきただけにそのことは身に染みて分かっている。時代の変化とだけは闘ってはいけない。うまくいかなければ沖縄の宮古島に移住しよう。そう思った。

宮古島には私の友人の医者夫婦がいる。夫婦は2人で世界中を旅してきた。
ある時宮古島に行き、宮古島が好きになるという宮古病に罹ってしまった。
奥さんはいつも体調がすぐれず暖かい宮古島に住めばよくなるだろうと考え移住した。すると奥さんの体調はとてもよくなり、ゴルフをしながら楽しく暮らしている。
そんなパラダイスで余生を過ごすのも悪くないはずだ。

これから[東京の調査]へと話が続いていきますが、一旦筆を置き、
時期をみて掲載を続けていきたいと思います。
乞うご期待!

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