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臨床日記

【 漢方・整体施術 治療症例 】
107.骨格は変化する

足には土踏まずという、踵から足先に伸びる縦のアーチと親指と小指の間に作る横のアーチがある。横のアーチが崩れると第2中足骨の痛みが起こり、歩けなくなってしまう。
そこで横のアーチを治す方法は、中足骨パッドという中足骨のところを持ち上げるパッドのついた靴を履くと痛みが無くなる。写真のミュールは技師装具士の先生だったオーストリア人のヘルプストさんが作ってくれたものだ。

私はゴルフが趣味でゴルフによく出かけていたが、横のアーチをつかさどる第2中足骨が足底に落ち込んで歩けなくなってしまった。そこでゴルフ場近くの技師装具士学校の先生をしていたヘルプストさんと知り合い、中足骨パッドのついた靴を作ってもらって痛みを取ることが出来た。

アメリカ人とイタリア人では甲の高さが違う

もう一つの出会いは神戸大丸でイタリア人の靴職人が靴を作っていたのに出くわしたことだ。当時、ハワイで買ったバリーの靴で足を痛めていたのでその職人に質問してみた。すると靴のサイズはと聞かれたので、8半と答えた。その職人はこの靴を履いてみろと靴を出した。それを履くと痛みがない。アメリカ人向けのバリーの靴は、甲の高さが低いアメリカ人用に作られている。だから中足骨が押し下げられて痛みが出たのだった。

横のアーチを作るのには中足骨パッド以外にも方法がある。絵のように靴のウエストの部分(赤い点線)が細くなった靴の靴紐を締め上げると自然に横のアーチが出来上がる。
ただし、日本では靴を履いたり脱いだりするので、このタイプの靴は好まれない。だから幅の広い4Eの靴が好まれるので、どうしても中足骨を痛めてしまうことが多い。

骨格は時間をかけることで変わる

私は中足骨パッドのある靴を長年履いてきた。そうすることで少しばかり足先に余裕のある靴が履けるようになった。

すると縮んでいた指が伸びて普通の運動靴も履けるようになった。もう一つ面白い変化はしっかりと土踏まずのアーチが出来上がったことと、親指のすぐ下の所にもしっかリ体重を乗のせることができるようになったことだ。
ここまで治ると普通の運動靴を履けるようになった。

腰椎圧迫骨折の治療:83歳女性

腰椎の圧迫骨折を起こした。近医でコルセットと鎮痛剤、シップ薬をもらい様子をみていた。骨折箇所は熱をもって腫れていた。オステオパシーの施術でゆっくり骨の歪みを治してやるとその場で痛みが取れ、骨の歪みもましになった。骨折の痛みで背骨全体が歪んでいたので、それを矯正したのがよかったようだ。

症例はこの1例しか経験がないが、うまく治すと骨の変形もましになると考えている。

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妊娠中の骨の痛み:38歳女医

妊娠中の腰痛、肋骨痛、恥骨の痛み妊娠するとリラキシンというホルモンが分泌されて骨格が動きやすくなる。子宮が大きくなり、肋骨や背骨を引っ張り、痛みが生じる。

産婦人科のこの女医さんは【患者さんに我慢しなさい】と言ってきたが、自分が経験してこれほど痛いと思わなかったようだ。肋骨の痛みは肋骨と背骨を繋いでいる肋椎関節を緩めることで痛みが取れた。腰の痛みも腰部を施術することで、痛みが取れた。

リラキシンは妊娠2-3か月から分泌され、産後1か月で分泌が止まる。

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オステオパシー

オステオパシーとは1900年ごろに開発されたアメリカ生まれの骨格を動かす治療法だ。歪んだ骨も時間をかければ治すことができる。私はオステオパシーの第一人者の古賀正秀先生に教えてもらうことが出来た。

骨を動かすといっても小顔矯正のような無茶なことはしない。痛みがない状態で治していくのが本当の治療だ。

道具を使わない中足骨の治しかた

ある時、築地の仲買人が中足骨の痛みで受診した。築地では長靴以外を履くことが許されていないので、施術で治して欲しいという。そこで古賀先生の本を参考にして治療することで痛みは消えた。

仕事のない時は予防のため中足骨パッドのあるスリッパを履くことで痛みはまったく起こっていない。

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