【 漢方・整体施術 治療症例 】
98.施術名人への道
【手と足の関節の遊び検査法便覧】
古賀正秀著は非常に役に立つ本だ
関節の遊び
人間には200余りの骨があり、その骨と骨を筋肉や腱が複雑につないでいる。骨と骨が繋がっているところを関節と呼ぶ。
関節は自分で動かすこともできるが、他人が動かすこともできる。他人が動かすほうが自分で動かすよりも少しだけ可動域が広くなる。この差を関節の遊び(joint play)という。
関節の動きを一つ一つ丁寧にみていくと、左右の関節で遊びが少ない場所が見つかる。遊びが少ない関節を見つけたらその関節の遊びを広げるように関節を捻じっていくと自然に病気が治る。
古賀先生の本には手と足の関節の検査法が細かく書かれている。
この本の書評を読んだことがあるが、大きな誤解があるように感じている。
紙に書いてあるから分かりにくい?
私は古賀先生の勉強会で使われたビデオ(1977年撮影)を12巻もっている。谷口書店から今もビデオ8巻が発売されているが、それの基礎になった勉強会のビデオで関節操作を古賀先生が動画で説明している。
動画があると分かりやすい気がするが、実は紙で説明しているほうが関節を動かす方向が明確に書いてあるので分かりやすい。
「検査法便覧なので治療法は学べない」というのは誤解だ。治療法も書いてある
健康な人の関節の検査を行っても左右差はない。だから単に検査法便覧としか書いていない。しかし、病気の人はどこかの関節の遊びが無くなっている。この関節の遊びを広げるように動かしていくと病気が治る。
例えば肩関節周囲炎の人を、この本のマニュアルに従って左右を比較して、明確な差がある関節の遊びのない方向へゆっくり押し込んでいくと肩関節周囲炎が治る。
ただ骨を正確に動かすのはマッサージ師でもずいぶん経験を積んだ人でないと正しく治療できないので、検査法便覧とだけ書いてある。
様々な病気を経験してきた施術師ならどの関節の遊びがないかが分かり、その可動域を広げることで中足骨骨頭痛、変形性関節症などの治療にも大いに役だつことが分かるはずだ。
ただこの本には股関節、背骨などの治療は載っていない。これらの関節は可動域が大きすぎて容易には説明できないからだ。
当院でのオステオパシー
オステオパシーは病気を治す重要な手段だ。脊椎管狭窄症やヘバーデン結節、ばね指など多くの骨関節疾患を治せるだけでなく、喘息、不整脈といった内臓疾患も治療できる。私は何年もかけて従業員に治療法を学んでもらっている。
もし病気のない健康な人でも、施術を受ければ病気の予防につながると考えている。
オステオパシーとカイロプラクティックの違い
2つとも1900年頃にアメリカで開発された骨格の歪みを治す治療法だ。カイロプラクティックは4年生の専門学校を出て資格をとる。
いっぽうのオステオパシーは医科大学に【骨格を治すカリキュラムがついた大学】で全米に6校ある。オステオパシードクターは本当の医者だ。
古賀正秀先生は1920年頃、オステオパシードクターであった宣教師から直接オステオパシーを習った。古賀先生は民間治療師の資格(刺絡の資格、現在はない)しかなかったが、晩年オステオパシー医科大学を訪ねたときに大学の教授たちは古賀先生の技術の高さに驚き、古賀先生を医科大学の寄付講座の教授にした。
つまり私はオステオパシー医科大学の教授に学んだことになる。
もしあなたが腰のだるさや肩こりでクイックマッサージにいって治るなら、それは病気ではなく、単なる筋肉の凝りだからわざわざ私のクリニックに来て施術を受ける必要はない。オステオパシーは病気を治す道具として西洋医学で治りにくい骨関節疾患や内臓疾患を治すのに用いている。
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98.施術名人への道 - 2023年08月01日

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