漢方丸薬

３か月前から円形脱毛になった。順天堂大学で柴胡加竜骨牡蠣湯を投与されている。さらに皮膚をかぶれさせる治療もしている。漢方処方について詳しく聞きたいという。自分が口にするものだからという。確かにそうだ。

ただし、それは簡単なことではない。たとえば処方した甘露飲丸には、【乾地黄、熟地黄、麦門冬、黄芩、骨砕補、牡蛎末、石膏末、天門冬、枇杷葉、茵陳蒿、桔梗、枳実】が入っている。またエンビ丸には、【金銀花、細辛、枇杷葉、辛夷、桔梗、枳実】が入っている。C０丸には【紅花、当帰、枳実、木通、茯苓、桃仁、桂皮、樸樕、蘇木、赤芍、牡丹皮】が入っている。

重複する生薬を合わせて合計２９種類だが、生薬が手に入らなくなることもあり、いつも同じ生薬の組み合わせで丸薬を作れるわけではない。また丸薬なので、味を良くするための甘草、生姜、大棗は省いてある。他の薬について説明すると膨大な量になり、一つ一つを細かく説明するのは不可能だ。

セファランチン

私は患者さんにセファランチンをもらっていないので出すという話をした。セファランチンは白薬子という漢方薬のアルカロイドを精製したもので、少量では保険でも出すことが出来る。セファランチンの専門家に聞いたところ、漢方薬の成分を取り出したものだから副作用もなく、大量投与すれば良く効く。ただし、そのメカニズムについては分かっていない。

このことを患者さんに話をすると、何故かセファランチンの件は分りましたという。

二重盲検試験

西洋医学のように円形脱毛の患者さんを１００人ずつ集めて、１つのグループにはセファランチン、もう一つのグループには偽薬を投与して効果を判定するような二重盲検試験はできない。

この患者さんは３回コロナワクチンを打っているから、コロナワクチンの後遺症については京都大学名誉教授の福島雅典先生が書かれているように、スパイク蛋白に誘発された円形脱毛と考えてビタミンDと亜鉛の投与が望ましいと思ったが、あまりに理解ができない人物だったので、診察料もいらないからといってお引き取り願った。

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