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夢の中の老人

第62話「理想の総理大臣を選ぶ」

選挙制度改革についてはアメリカを引き合いに論じられることが多い。アメリカは代議員が投票する間接選挙で、ディベートを繰り返しながら寄付を集めていく。宗教団体や企業が自分たちに有利な政策を提案して寄付を募っていく。いわゆるロビイスト集団だ。

もしディベートに負けて資金が集まらなければその時点で撤退せざるを得なくなる。代議員制度の問題点は直接選挙ではないので、ある地区で代議員が1人でも多いとその地区は共和党もしくは民主党の総取りになる。だから集計が不正確だとの問題が繰り返し起こる。そんなことを考えていると、例の如く老人が現れて話し始めた。

才能はディベートで明らかになる

老人:「政治家になりたい人の能力を測るには、ディベートほどいい方法はない。」

私:「どうしてですか? 理屈をこねる人は沢山います。」

老人:「まずは論理的に反論できるかがわかる。例えば夫婦別姓を認める人がいるとしよう。では子供の姓をどうするか? 相続がどうなるのか? そういった問題にちゃんと答えを持っているかがディベートの中で分かる。」

私:「それだけですか? 他の分野のことも教えて下さい。」

老人:「経済の話題になったとしよう。消費税が景気を悪くしているので消費税をゼロにしろという論者もいる。その主張の根拠となっている消費税の使い道、消費税をゼロにしたときの影響をちゃんと説明できる人物かどうかを判断出来る。また、日本では各国の政治状況について知識のない人が多い。そういった知識を確かめることもできる。」

私:「なるほど。」

老人:「もっとも大切なことだが、カリスマ性があるかどうかを知ることができる。レーガン大統領は2流の西部劇俳優だったが、素晴らしいカリスマ性があったとキッシンジャー補佐官は言っている。レーガン大統領が殺人未遂にあった時、病院のスタッフに『君たちが共和党員であるといいのだが』と重篤な状況下でも冗談を言える明るい男だった。」

私:「なるほど。確かに知識、信念、カリスマ性など、その人物をよく理解できることが分かりました。そういうディベートでえらばれた人物が国の運営に当たって欲しいものです。」

イギリスの選挙制度

老人:「イギリスの選挙制度をみるのも勉強になる。そこで鉄の女と言われたサッチャー首相の生き方を見てみよう。

1925年、マーガレット・サッチャー首相は雑貨商の娘として生まれた。父親は熱心なメゾシストの信者だった。家は3部屋と台所のみしかなく、共同トイレを使っていた。1943年サッチャーはオックスフォード大学に入学した。専門は化学で、政治とは関係なかった。化学者として勤めていた時に、1950年、保守党から立候補するも落選した。その後、1954年弁護士の資格を取得した。イギリスの弁護士資格は日本のような試験があるわけではないから、弁護士の数は人口10万人あたり385人、日本の3015人に比べて圧倒的に多い。そして2回目の挑戦で当選した。」

私:「マーガレット・サッチャー首相は何故鉄の女と言われるのですか?」

老人:「ロシアが頑固者という意味で鉄の女とあだ名をつけたのが始まりだ、確かに自分が言い出したことは、どんな非難にもひるまなかった。国民1人1人に人頭税をかけたのは有名な話だ。ところで君は1982年に起こったフォークランド紛争を知っているか?」

私:「アルゼンチンがイギリスから遠く離れた小さな小島など要らないだろうと占領した話ですね。」

老人:「そうだ。その時、サッチャー首相はイギリスの本気度を示すためにクイーン・エリザベス号という客船を摂取して兵隊を乗せるのに使った。どんなことがあっても領土を取り返すという決意を見せたのだ。」

私:「面白い話ですね。核戦力を持ち、空母もある国に楯突くとは、アルゼンチンもびっくりしたでしょうね。」

竹島という日本の領土

老人:「日本の領土の竹島という小さな島が島根の沖にある。その島を韓国が占領した。1951年のことだ。核兵器も持たない韓国が占領したら取り返すために戦争をしなければならない。核兵器を持つ大国の北方四島や尖閣とは違うのだ。今でも取り返すことはできるはずだ。」

私:「何やら物騒な話ですね。」

老人:「日本は戦後一度も戦争をしていないし、徴兵制もないから、米兵が日本を守ってくれると信じている。攻撃は最大の守りだ。情けない話だと思わないか?

まあいい。サッチャーの話に戻ろう。サッチャーの経済政策はマネタリストたちの影響を受けていた。今の論客なら 元FRB議長のベン・バーナンキだ。2022年にノーベル賞を受賞している。デフレスパイラルを終わらせるためには札をドンドン刷ればいい。ヘリコプターから札を撒いたらいいと主張してヘリコプター・ベンとのあだ名がある。確かにマネタリストの札をする方法は、将来効果が出ると思うが、それがどのくらいで効果が出るかが分かりにくい。それならケインズ流で政府が出費して直接景気を刺激する方が分かりやすい。サッチャー首相もケインズ流の政策に切り替えたと理解している。」

私:「なるほど。ディベートの重要性が十分理解出来ました。」

老人:「一つ重要なことを忘れていた。サッチャー首相は英語の発音を直していた。イギリスでは庶民に話す英語と上流階級の英語は違う。庶民の英語の発音で、外交をするのがはばかられる。英国連邦の首相として恥ずかしくない英語を目指していたのだ。強いばかりではなく、自制心もあり、努力ができる首相が日本にも生まれて欲しいものだ。」

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