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臨床日記

【 漢方・整体施術 治療症例 】
120.牛黄【ゴオウ】

牛黄はいわゆる開竅薬(かいきょう)、つまり意識をはっきりさせる薬として知られてきた。牛黄は1,000頭に1頭の割合で見つかる牛の胆石で、紀元2世頃から中国で使われだした。

私は品質を確かめるために、信頼のある問屋から胆石の状態で買って粉末にしている。
写真は最高級のオーストラリア産の牛黄

30年前、牛黄は安かった

知り合いの薬剤師は車で片道1時間かかる有名進学校に息子を通わせていた。そして毎日、耳かき一杯ほどの牛黄を飲ませていた。それは0.1g 前後で牛黄の通常の投与量だった。

お祖父さんが車で塾まで送っていく。家を出る時弁当を持って車に乗り、車内で晩御飯を食べる。帰りは友人の薬剤師が夜食の弁当を持って息子を迎えに行く。そして車内で夜食を食べる。こんな苦労の甲斐あって東大に合格した。当時の牛黄の値段は1日1,200円ほどで毎日飲んでも月に3万円ほどで済んだ。

牛黄宝印

1200年前から東大寺ではお水取りで「牛黄宝印」という印刷物を御守りとして出している(現:牛玉札)。病除けや平癒の護符で墨の中に牛黄を溶かしているという。つまり薬というより神秘的な作用を人々は信じてきた。

牛黄症例:94歳 女性

高齢のため、嚥下障害を起こす危険があるので薬を飲ますことが難しい。そうなると、安心して飲ますことが出来る薬は牛黄しかなかった。

投与量は、1回0.1gを朝晩に分けて2回飲んでもらった。飲むといってもオブラートに包まれた粉を舌の上で溶かすだけだから、誤嚥する心配はまったくない。1回4,500円、1日9,000円かかるが、1か月の投与ですごく元気になるだけでなく、それから普通に食事ができるようになった。

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頸部の解剖学的構造

頸部の前に気管があり、後ろに食道が通っている。誤嚥を防ぐためにフタ(喉頭蓋イントウガイ)が閉まるようになっている。生まれつきフタが閉まりにくい人もいる。水を飲みながらしゃべったりすると、気管に水が入りかけて真っ赤になるまで咳き込んでしまう。フタの閉まり具合は人によって異なる。

牛黄症例:84歳 女性

近所に住む人に20年ぶりに出会った。その人は、「お姉さんが怒りボケになって困っている」と言う。怒りボケとはセッカチな人がなる病気だ。セッカチな人はいつも先のことを考えている。

お姉さんはご飯を炊いている間に料理をしてから、好きなテレビ番組を見ようと考えている。しかし、いつも考えに行動が遅れてしまうことに腹を立てているうちに頭が疲れてしまう病気が怒りボケだ。そこで牛黄を出した。すると1日1包、3か月続け飲むことで笑顔が見られるまでに良くなった。

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牛黄は不思議な薬で嚥下障害怒りボケに効くだけではない。後輩の医者はカンツォーネをイタリア語で歌う時に声帯の動きが良くなり、綺麗な声になるという。牛黄が癌に効くと書いてある古書もある。様々な病気に効くと思うが、値段が高いので大量に使うことは難しく、研究が進んでいない。

考えてみると西洋医学の薬では高いものは1億円以上の薬もある。日本人がノーベル賞を貰ったオプシーボは月270万円かかるが、高額医療費の援助で安くなる。そう考えると牛黄は決して高いとまでは言えないし、牛黄はまったく副作用がないというメリットがある。牛黄の価値を人々が理解してくれれば研究が急速に進んでいくことになる。

サイの角が盗まれた

出典:読売新聞

2022年、静岡の日本平動物園からサイの角が盗まれた。値段は4,500万円もする。サイの角は人の爪、つまり角質で出来ていて、神経は通っていない。

この角をアラビア人は刀の柄に使い、中国人はこれを削って犀角地黄湯(さいかくじおうとう)という薬にして飲んだ。

犀角地黄湯は厥陰病(けっちんびょう)に使った。厥陰病とはDIC (Disseminated Intravascular Coagulation播種性血管内凝固症候群)のことだ。いったんDICが起これば、現代でも助かるすべはない。

古代の中国は身体を竹筒のように考えていた

「傷寒論」にみる病気の捉え方の図病邪は体の表面から侵入してくる。
体の表面が侵されたときは葛根湯で治す。半表半裏(はんびょうはんり)になると小柴胡湯で治す。病気が体の中まで入ってしまうと厥陰(ケッチン)という状態になり、血管の中で凝固と血栓の融解が同時に起こり、出血が止まらなくなり死んでしまう。

そういう状態の時、サイの角と地黄を混ぜて飲ました。治療が成功したかどうかは分からないが、そういう処方が残っているのが面白い。

DICに牛黄

現代でもDICが起これば助かるすべはない。しかし、牛黄が使えないかと想像してみよう。

DICになると、精神錯乱が起こる。精神錯乱をDICの始まりと考えてみよう。早い段階から牛黄を投与してみる。一回の投与量は0.1gだから、その100倍の10gを投与してみてはどうかと思う。犀角地黄湯を飲ませるのは大変だったに違いない。

牛黄は不思議なくらいいろんな病気に効くから1g投与でも通常量の10倍なので重篤な状態になりそうだったら、試してみる価値はあるように思う。費用45万円ほどで、飲むのもとても楽だからだ。

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