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香杏舎ノート

第332回「直径5ミリの丸薬を作る」

丸薬を作るのはとても困難だ

森下仁丹

森下仁丹で丸薬製作の指導をしていたSさんと知り合いになった。仁丹は非常に小さいが粒のそろった丸薬で、以前はもう少し大きい梅仁丹も作っていた。

Sさんは台湾で育ったから、いわゆる帰国子女で中国語が堪能だ。そんなことから中国本土の生薬を輸出している生薬問屋にも指導に行っていた。

クリニック内の工場を監督

20年ほど前、院内で丸薬を作るためにSさんに指導に来てもらった。

換気扇の外には虫の入らない細かな網をつけ、流し台の排水溝にも細かな網をつけた。エアコンにはフィルターを貼り、徹底した衛生管理を学んだ。

最近も視察に来てもらったが、以前と変わらず問題ないとのことだった。

丸薬を作るのは手間がかかる

正露丸は私の作る丸薬に大きさが似ていてとても綺麗な丸薬だが、苦い味がするのはセラックでコーティングしていないからだ。最近、丸薬ではなく糖衣錠などが販売されているのは、糖衣錠のほうが作りやすいからにすぎない。

糖衣錠と丸薬

私も丸薬を作るのが大変なので、錠剤を作ろうと考えたことがある。

しかし、錠剤は大量には飲めない。一番飲みやすい錠剤は直径7ミリで重さが200mg。頑張って飲んでも1日100錠(20g)は飲めない。

私が苦労して丸薬を作っている理由が分かってもらえたと思う。

丸薬作成は効率化できない

日本で買える丸薬機は私の丸薬機しかなく、中国にはない。日本製の丸薬機は綺麗に仕上がるが、分解して掃除することができず丸薬の生産量は少ない。また部品が壊れた場合、丸薬に部品が混じることがあるので、磁石だけでなく、金属探知機も必要になる。
そういった意味からも、すべて分解できて清潔を保てる私の持っている台湾製の機械が優れている。

丸薬を作るためには最低でも3人から4人の作業員が必要で、いったん製丸機を動かし始めると途中で止めて休憩することが出来ない。具材が乾燥して丸薬が出来なくなってしまうからだ。

丸薬を手で選別する

丸薬の大きさは丸薬が出てくるスピードと練る速さを加減するのだが、職人的熟練を必要とする。

乾燥は乾熱乾燥機でするが、高熱はかけない。タンパク質が壊れない温度65度で長時間乾燥させる。牛乳の消毒に使われる温度だ。セラックは1キロあたり4㏄で乾燥させる。

1日に出来る丸薬の量は限られている。何十種類もの丸薬を作るにはそれに合わせた賦形剤を加減することが難しいので、寒梅粉と常用粉の2種の割合を変えて作っている。

丸薬工場

まず小さくてもいいが、丸薬工場を作る必要がある。費用は2000万くらいかかる。工場の中は清潔を保つ必要があるので、Sさんに設計を頼んだ。

その専門家は中国本土の漢方工場の指導にも当たった人物で、換気扇の外側には虫が入らないように非常に細かいメッシュの金網をつけ、また水を流す洗い場には下水からゴキブリなどが入らないようにやはり細かい網をつけている。

乾燥機は乾熱乾燥機だが、2台重ねて置くと熱を持つので、間隔を離して熱が伝わらないようにするだけではなく、火災を防ぐために念の為に鉄のテーブルにしている。また丸薬を乾燥させる棚は、低温で長時間乾燥させるので、温風が通り易いようにメッシュの棚を作る必要があり、1枚15万、20枚で300万かかった。

厄介なのは丸薬をコーティングするセラックという薬品だ。天然のラッカーとして使われてきた。これは強力なコーティング剤で、強アルカリ液にだけ溶ける。これが固まると取れないので、家庭用のスチーマーで毎回洗浄している。

私の機械は生産機では無く、試作機の性能の良いものだ。丸薬の生産能力は2時間で3キロほど。連続運転すれば、すごく作れる気がするが、生産しながら丸薬の形の悪いものを手で選別するから生産量は、1日3キロが限界だ。労働集約型なので、最低4人のスタッフが必要だ。

丸薬作成動画

あまりに丸薬作成についての質問が多いので、ビデオを見てもらうことにした。
丸薬を作るためには寒梅粉(もち米を焼いて餅にしてから粉末にした物)とうるち米(常用粉)の比率を変えて丸薬を作っている。丸薬がローラーにひっつかないように、エタノールを使用している。

機械を使うのはとても難しい。正露丸のような1種類の丸薬を作るのは簡単だが、200種類もの丸薬を作るにはその都度配合を変える必要があり、経験がなければ丸薬を作ることは不可能だと考えて欲しい。

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