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香杏舎ノート

第48回「漢方薬の値段」

高い漢方薬で誰もが思いつくのは朝鮮人参だ。価格は栽培年月によって異なる。一番高いのは6年栽培した6年根。朝鮮人参は大根のような植物なのに6年間も栽培できる。だがそれ以上栽培すると根が腐ってしまう。だから栽培できる限界の6年根が一番高い。でも本当に高いのは野生の人参、野参だ。枯れた大地に100年以上にわたって生える野参は億の値段がつく。野参の滋養強壮効果は強く、ほんの少しの量で大変よく効くという。

1億もする野参を使った経験はもちろんない。だが値段のほどに効くか疑問に思う。普通に売られている6年根の人参と比べて何千倍も効くのだろうか。普通の人参には無いような効果があるのだろうか。あくまでも想像だが値段ほどの差は無いと思う。野参に高い値段がつくのは、薬として以外の価値、つまりその希少性のためだ。

値段と効用

西洋薬は化学合成されたものだから生産性を上げることで価格を下げることができる。大量に生産することもできる。だが漢方薬は天然のものなので、作柄は天候に影響されるし量にも制限がある。不作の年は値段が上がるし、ある漢方薬がブームになると値段が高騰する。

西洋薬は成分が一定なので効き目はどのロットでも同じだが、漢方薬は産地などで効き方が大きく異なる。漢方薬は大きくて形がきれいだったりすると高い値段がつくこともあるし、見かけはよくても効かないものもある。値段と薬の効果とは必ずしも一致しない。漢方薬を見る目を持たないと効かない薬を高く買わされるはめになる。
以前、田七人参という止血の薬を友人に頼んで北京で買ってきてもらった。この薬の止血作用はすさまじく、白血病の患者さんに使うと驚くほどよく効いた。ところが輸入したものは高い物を選んで買っても全く効かない。友人の買ってきたものは形状が悪く、値段もそれほどでもない物だったがよく効いた。どの品物が良くてどの品物が悪いかは、結局使ってみないと解らなかった。

値段に見合ったよく効く薬を探しだすのは意外に難しい。同じ薬でもいろんな価格の物があるが、べらぼうに高い薬は期待するほど効かないことが多いようだ。効かないならそんな高い薬は無くなってしまいそうなものだが、それでも無くならないには理由がある。人は高い薬ほどよく効くように思うからだ。癌など命にかかわる病気になれば特にそうだ。高くてもよい。いい薬を下さいということになる。外来に来る患者さんが20万も30万もする健康食品を飲んでいることがある。これも高ければ効くような気がするからなのだろう。

いい漢方を選ぶ努力

あまりに高い薬は値段ほどの効果を期待できないとの話をしてきた。では値段の安い品物で十分かというとそうではない。あまり安いものは品質が悪く、薬としての効果も期待できない。高くなく、しっかりした薬効を持つ漢方を選ぶことが大切だ。

いい漢方を選ぶにはやはり経験がものを言う。一つ一つ吟味して使って、はじめてよいものとそうでないものが解ってくる。実際の臨床では、同じ薬でも体質によってよく効いたり、あまり効かなかったりする。だからよく効いて高くない薬を選ぶというのは、想像以上に大変だ。慎重に品物を選び、効果を見極めながらいい薬を集めていくわけだ。

私の経験

漢方薬からは少し話が脱線するが時計の値段に関して面白い経験がある。お世話になった先生にスケルトンウォッチ(中の機械が見える時計)を送った。値段は40万くらいだった。日本ではなじみが少ないがスイスブランドで、マニア好みの時計だった。
時計を送ってから3年ほどたったある日、警察から電話がかかってきた。買った時計をどうしたのかという。時計が殺人事件と関係があり、日本に入荷された時計の本数が少ないので、一つ一つの時計の行方を調べているという。そこで私は事情を説明して電話を切った。30分ほどすると、時計を送った先生から電話がかかってきた。警察からその先生に電話があったのだろう。「そんな時計、私いただきましたか?」という。送られた記憶がないらしい。

スケルトンウォッチには、おもちゃのような安い時計もあるし、その先生はブランドに興味がない人だから時計が印象に残らず忘れてしまったのだろう。せっかく気持ちをこめて差し上げたのにと、落胆して暗い気持ちになった。先生がもらってないと言うと、私が嘘をついているように思われないだろうか。殺人犯に誤解されないだろうか。そんな心配をした。しかし、それ以後警察からの電話はなく、時計は先生が息子さんにあげたことが判明した。

こんなことから値段とは面白いものだと思うようになった。1000円の時計でも100万円の時計でも性能的には何ら変わらない。高い時計でもブランドを知らない人にとっては1000円の時計と同じなのだ。

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