第270回「戦車にはエアコンはない」
日本の老兵が戦うにはどうすればいいか
戦車にはエアコンがついていないから寒い冬や暑い夏を閉めきった車内で過ごさなければならない。戦闘機のパイロットはオシメをして何時間も飛行する。頻尿や腰痛のある老人は加速度に耐えられる以前にパイロットにはなれない。
潜水艦の乗組員は狭い空間の中に何日も閉じ込められるし、歩兵は40キロ以上の装備を背負って行軍しなければならない。
イギリスやアメリカに比べると日本は老兵が多い
グラフを見ると日本には老兵が圧倒的に多い。
体力的にキツくなる40歳過ぎから50歳くらいの自衛官が、国防や災害救助のために奮闘してくれていることに感謝しなければならない。日本の人口の半分は50歳以上、65歳以上が三分の一を占めるから、自衛隊は集団として高齢者が集まっているわけではない。
10兆円の軍事費と大陸間弾道ミサイル
もし防衛予算が年間、10兆円に増額されたら、最新鋭の兵器を買うことができる。F35垂直離着陸機、原子力潜水艦などだ。だが、最新鋭の軍備を揃えたところで操縦する兵士がいなければ運用することはできない。また若者を軍隊だけに集めると国の生産が止まってしまうから老兵でも戦える状況を作らねばならない。
北朝鮮やロシア、中国といった核兵器を持つ国に日本は囲まれているから、大陸間弾頭ミサイル(ICBM)を装備する必要がある。これなら兵隊は地上にいるので、老兵でも戦える。
核兵器を持てない台湾はロケットで三峡ダムを攻撃してダムを破壊し、洪水を起こして中原を水浸しにする戦略を立てている。日本にはイプシロンというロケットがあり、最近1度だけ打ち上げに失敗したが、過去の5回は成功しているので、これを各地のサイロに収納して攻撃体制を整えることができる。
10兆円の防衛費を集めるのは不可能
誰にでも分かることだが、税金で10兆円を集めることは不可能だ。
ただでさえ医療費がここ30年で19.7兆円から44.3兆円と増えていく中でこれ以上国民に税金をかけることはできない。だが、アメリカは軍事費の増額を求めている。
NATO(北大西洋条約機構)
日本はアメリカにそそのかされてNATOに入るようだ。イギリス、ドイツ、フランスといった先進国が一段となってロシア国と戦うという。
しかし、NATOはヨーロッパにある国々だから日本の利害とはあまりに違う。もし加入すればヨーロッパの紛争に日本も巻き込まれる。日本はアジアでアメリカと協力して民主主義を守るしかない。
老人が活躍できる社会を
防衛に関わらず、労働人口が急速に減っていく中で、長距離トラックの運転手、建設作業員、工場労働者など、若者でしかできない労働に対して老人でも代わりができる方法を開発していく必要がある。そんな解決法の一つがロボスーツだ。
ロボスーツは民事用にも軍事用にも使える。また急速な人口老化に対応して車の自動運転、AIによる支援といった工夫がなされなければならない。
特にAIを使った敵国へのサイバー攻撃は、兵士が危険にさらされない分だけ安全で体力を必要としない点がいい。
体力のない老兵でも戦うことができる方法を考えていきたい。
- 第270回「戦車にはエアコンはない」
- 2023年04月20日
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