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香杏舎ノート

第82回「漢方薬の効能書き」

薬局で薬を買ってくると箱の中に効能書きが入っている。どんな症状の時に薬を飲めばいいとか、副作用として眠くなりますとか書いてある。お医者さんが使う保険薬にもそういう効能書きがついている。一般の人がその効能書きを見ることはないが、同じように薬の使い方や注意などが書いてある。もちろん漢方薬にもそういう効能書きがついているのだが、これがなかなか厄介な代物なのだ。

更年期障害の薬

鐘紡記念病院で診療をしていたときのことだ。70歳過ぎの男性の患者さんに通導散(つうどうさん)という漢方薬を処方した。しばらくしてその患者さんがどなりこんできた。「男の私にどうして更年期障害の薬を出したのだ。お医者さんからもらった薬がわかるという本を調べたらそう書いてあった」という。たしかに通導散は「月経不順、更年期障害、月経痛、打ち身など」に使うと書いてある。

「よく聞いて下さい」私は説明を始めた。「通導散はもともと更年期障害に使われた薬ではないのです。万病回春という本の中に通導散を使うべき症状としてつぎのように書いてあります。 『跌撲傷きわめて重く、大小便通ぜず、すなわち瘀血(おけつ)散ぜずして、吐腹膨張、心腹に上攻し悶乱して死に至る者を治す。』 簡単に言えば馬に蹴られたりして打撲傷を負い、死にかけた人を治す薬なのです。打ち身をすると体内に内出血をおこした血が溜まります。こういう体に溜まった不要の血液を漢方では瘀血と言います。瘀血は内出血ばかりではなく、脳梗塞や心筋梗塞をおこすのも循環不全から血液が溜まるので瘀血と考えます。女性の更年期障害も本来は出ていくべき生理血が体内に留まることで症状が起こるのです。でも通導散は更年期障害や生理痛だけの薬ではないのです。あなたには脳梗塞の後遺症があり、そのためにこの薬を使ったのです。薬の効能書きにはそれほど詳しく説明していないので誤解されたのだと思います。」
30分以上かけて説明することで、やっと患者さんは理解してくれた。

漢方は西洋医学とは全く異なった医療体系をもっているので、高血圧の薬とか胃潰瘍の薬といった具合に簡単に薬を説明できない場合が多い。効能書きにはこういった基礎的な漢方の考え方が省かれているために誤解が生じてしまうのだ。

体力中等度

漢方を上手に使うのはけっこう難しい。使い方がはっきり分かっていなくて、何となく口伝えで使っている漢方もある。その口伝えでも奇妙なものがあり、それがそのまま漢方薬の効能書きになっていたりする。ある漢方薬メーカーの小柴胡湯(しょうさいことう)という薬の説明書きには、「体力中等度で上腹部が張って苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の症状:肺炎、気管支炎、産後回復不全~~以下省略」と書いてある。
体力中等度とは、いったいどんな人をいうのだろう。こういった漠然とした効能書きがあるというのは、それだけ漢方が今だ十分には解析されていない証拠でもある。

効能書きに書いていない病気

さらに困ることがある。たとえばアトピーや鼻アレルギーに使う漢方というのがない。 これらの病気は最近おこってきた病気だ。だから少なくとも漢方薬の効能書きにアトピーや鼻アレルギーに使える薬だとは書いていない。

麻黄附子細辛湯という薬がある。本来風邪に使われる薬だが、鼻アレルギーにも効果があると漢方の師匠が教えてくれた。もう15年以上前のことだが、私はその薬の効果を調べるために動物実験をおこなった。するとたしかに抗アレルギー作用がある。つぎに患者さんの協力を得て臨床実験もしたが、これも効果がある。この二つは学会でも報告し、論文にもした。あるとき鼻アレルギーの患者さんに麻黄附子細辛湯を使い、保険請求したら保険が認められなかった。認められない場合、治療費は医院の自腹ということになる。確かに効能書きに書いてある病気以外の病気に薬を使えば、それは保険で薬を使用したことにはならないので保険は認められない。杓子定規に言えばそうなのだが、効能書きに使える薬がない以上、鼻アレルギーには何らかの薬を応用して使う以外にない。

25年ほど前から漢方が保険で使えるようになった。保険で使えなければこれほど多くの人が漢方の良さを体験することがなかったし、現在世界中で伝承医学が使われていることを考えると、そんな以前から漢方が保険で使えるようになったことは日本としてはめずらしく先進的な出来事だった。漢方医学はいまだ未発達の学問ゆえに誤解を受けたり、不完全な効能書きがあるのは致し方のないことだと思う。

私の感想

漢方でうまく治療するのはほんとうに難しいと思う。患者さんの誤解や保険の制約があるだけではない。鼻アレルギーやアトピーのみならず難病と考えれている病気のほとんどの治療法はどこの文献にも明確には記載されていないからだ。

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