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香杏舎ノート

第144回「日本女性はどんな男が好きか?」

子供が成長するにつれて性ホルモンの分泌が高まり、男や女の体の特徴が作られていく。女性の場合は皮下脂肪が発達し、お乳や尻が大きくなる。男性は皮下脂肪が減り、体毛が濃くなる。これを第二次性徴期という。
成熟した女性は成熟した男性を好む。ライオンでは成熟した雄ライオンはタテガミが立派になり、ホルモンが多いほどタテガミの色も濃い茶色になる。タテガミの濃いオスには薄いオスよりもメスが集まってくる。

宝塚歌劇団

宝塚歌劇団は100年も続く歴史を持つ女性だけの歌劇団で、観客の8割が女性だといわれている。男性の役も女性がこなして男役と呼ばれる。世界でも女性だけの歌劇団は極めてめずらしく、また娘役ではなく男役に人気が集中しているのが興味深い。ファンに聞くと実際の男より生々しくなくて素直に舞台を楽しむことが出来るという。

私は漢方医で人の体質をみるのを仕事にしているから体質を気にして人を見る癖がついている。そういった観点から日本女性をみると、成熟した男性を好まない人が多いと思う。思春期の初め頃、女性は男っぽい人を好きになれない時期がある。そういう時期が過ぎても第2次性徴期の特徴を備えた男性を暑苦しいと感じる女性が多いようだ。

ゴルフの石川遼、スケートの羽生結玄、野球のハンカチ王子こと斎藤佑樹には女性のファンが多く、また彼らの母親のような年齢の女性たちさえもが追っかけをしている。
3人に共通する体質的特徴は色白で細い体つき、表情はあどけなく、幼い感じがある。ゴルフの松山、野球のゴジラこと松井やヤンキースのマー君のようなたくましい男性に熱狂的な女性ファンは少ない。

マッチョは嫌い

女性から個人的に聞き取り調査してもガタイのいい男が好きな女性は圧倒的に少ない。ある女性は好きな男性について「ツルツルがいい。」という。どういう意味かと尋ねると、体毛がなくてつるつるの肌をした男性がいいという。これは2次性徴をしていないという意味だ。

韓流ブームでヨン様がボディビルで鍛えた体を披露してから日本の女性にもマッチョ好きが少し増えてきた。でもホソマッチョという造語ができるくらいだから日本女性はマッチョが苦手だ。白人女性の好みがどうかは詳しく知らないが、日本人女性ほど未熟な感じの男性が好きだとは思えない。知人の男性は白人の女性からいい尻をしていると褒められたことがあるというし、また胸毛のある男性が好きな人が多いとも聞いたことがある。

叶姉妹とサンバダンサー

女性を意識しすぎる男たちは脱毛をし、油取の紙で額の汗を取り、2次性徴期の特徴を隠そうと努力する。女性にそんなひ弱な男たちが好きかと聞けば、大抵の女性は嫌いだと答える。
いっぽうでは男らしい体を手に入れようとボディビルをする人たちもいる。筋肉質の体を作るには相当な努力がいるが、努力の割に女性には好まれない。日本の女性に好かれるのは難しい。

代官山のTサイトで叶姉妹を見かけた。2メートルくらいの近い距離だった。美香さんは胸の谷間が見える服を着ていた。私はその大きな胸を見て、胸にお尻がついているようだと思った。だが女性としての魅力は感じなかった。

ブラジルからきたサンバダンスを見に行ったことがある。本場の踊り子たちが舞台で踊っていた。観客席から見ているととてもセクシーだったが、舞台に上げられて一緒に踊りに加わると、178センチの私でも見上げるように大きい女たちだった。調子にのって踊り子とハイタッチすると手の平は男のように大きくて硬かった。あまりに性ホルモンで満たされた女性を見ると私は気おくれしてしまうようだ。

考えてみると男女の付き合いは緊張感を伴う。自分と違った体つきをした異性を見ればみるほど緊張感が高まるのかもしれない。男らしい体つきをしている人より、幼い感じの男性のほうが付き合うのに敷居が低く、自分のわがままを聞いてくれそうに思える。男性でもAKB48のような幼い女の子たちに人気が集まるのは、男たちも自分の言うことを聞いてくれそうな未成熟な女が好きなのかもしれない。

女性が家で家事をして子供を育て、男性が外で仕事をするという性別による仕事のパターンがなくなってきた。それに伴って男らしさや女らしさといった教育も姿を消した。男も女も同じように仕事をし、子育てや家事をする。そうなると2次性徴が暑苦しく思えても不思議ではない。
これからは中性的な男性がもてる時代なのかもしれない。

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