第209回「粉体工業展大阪2019に行ってきた」
粉体工業展とは粉末をつくる機械や混合機といった機械を展示する展覧会だ。医者でそんなものを見に行く人はまずいないだろう。
丸薬を作るには生薬を粉末にしなければならない。しかも相当に細かい粉末にしなければならない。最低80メッシュパスの細かさが必要だ。
私は生薬を粉にする効率のいい機械がないか見に行ったのだが、残念ながら高くて買えなかった。
生薬は繊維のきついものがあったりするので、1種類の機械で粉にすることができない。ハンマーミルやピンミルを使わなければならない。また油性成分や糖質が多い場合は粉にならない。
昔から粉末を作るために使われてい道具に薬研(やげん)がある。クワイ頭(ポニーテール)をした昔の漢方医が生薬を粉にしているのを見たことがあるだろう。
この薬研は生薬の繊維が切れて粉砕しやすいのだが、すごく時間がかかる。水車を利用して粉にしたり、石臼で引いたりもする。丸薬を作るのは簡単ではない。
下記写真は電動の薬研と人力の石臼だ。
糖質や油性成分の多い生薬は凍結粉砕という手もあるが、液体窒素を使いながら粉末にする機械は1000万では買えない。私は機械の簡単な修理、プーリーのVベルトを変えたりすることもある。
私みたいな町工場の親父は大変だ。
- 第209回「粉体工業展大阪2019に行ってきた」
- 2019年11月10日
こちらの記事もあわせてどうぞ
香杏舎ノート の記事一覧へ
患者さまお一人お一人にゆっくり向き合えるように、「完全予約制」で診察を行っております。
診察をご希望の方はお電話でご予約ください。
- 読み物 -
- ●2024.12.01
- 114.漢方の効果をみる15分テスト
- ●2024.11.25
- 第319回「陶片追放(オストラシズム)」
- ●2024.11.21
- 第318回「盗まれた選挙」
- ●2024.11.20
- 第317回「モンゴル医学で発見した丸薬の価値」
- ●2024.11.10
- 第316回「牛のガス腹(気滞)」
※ページを更新する度に表示記事が変わります。