関西に行ってタクシーに乗ると、次のような質問を運転手にしてみる。
「全国を1700ほどの地域に分け、所得の多い順番に並べていく。1番が東京都港区で平均所得1100万、2番目が千代田区で1000万ほど、3番目が渋谷区。では芦屋市は何番目ぐらいになりますか?」
そう聞くと「50番目位ですか？」と答える人が多い。

しかし5番目だ。4番目の猿払村はホタテの養殖で潤っている村だから、多くの人が住む地域としては日本で4番目ということになる。

年収ガイド「全国市区町村 所得(年収)ランキング」より引用
https://www.nenshuu.net/prefecture/shotoku/in_shotoku_city.php

関西の人なら芦屋にはお金持ちが住んでいるのを知っている。芦屋市の西隣の神戸市東灘区や東隣の西宮市苦楽園などにもお金持ちが多い。
西宮市は24位で、442万とかなり金額が低くなるが、それでも田園調布のある大田区(30位)よりは上だ。芦屋市を中心とするこの阪神間という地域は関西人が思っている以上にとても裕福な地域だ。

ただ芦屋市はお金持ちが多いといっても、年齢が高齢化しているから消費が上がらない。住むのなら芦屋もいいが、人口の増えている西宮市の山の手がいい。
住環境としての豊かさは東京の一等地と比べて遜色は無い。

ある日、西宮の山の手にあるカフェレストランでローストビーフランチを食べていた。涼しい木陰には鳥のさえずりや蝉の鳴き声が聞こえてくる。

しばらくすると駐車場から大きな排気音が聞こえてきた。見るとロールスロイスのカブリオレだった。しばらくすると店に入らずに、すぐに車が出て行ったので、店の人に聞いてみた。「お茶だけ飲みたいとのことだったが、ランチタイムなので断った。」と言う。

空を見上げていると、オニヤンマが飛んでいる。オニヤンマを見るのは何十年かぶりだった。

店を出て六甲山を越えて有馬側から芦屋へ抜ける芦有道路を走った。この有料道路の途中に【奥池】と言う高級住宅地がある。コシノヒロコさんの住宅があるので有名だ。
知り合いの金持ちはコシノさんの近くに家を買って住んでいたが、5年ほどで飽きて六甲山の北側に移り、2千万ほどの中古住宅が気に入って住んでいる。

芦屋で面白いと思うのは、ここに住んでいる人も住んでいない人も、東京ほど高級住宅地を特別な場所と意識していないことだ。
こういったことがさらに芦屋を住みやすくしているのかもしれない。