第351回「下肢の浮腫みとコムラ返り」
産経新聞によると、トランプ大統領の足はとても浮腫みがひどいようだ。
こうなると下肢にコムラ返りが頻発するようになる。
その原因の多くは飲酒だ
30年も前の話だが、私の親父がコムラ返りで苦しんでいた。親父は医者だから酒でコムラ返りが起こることは知っていて、酒をお猪口で飲むことはしなかった。お猪口で飲むと、どれだけ飲んだか分からない。そこで酒はコップ酒で2合までと決めていた。
それでもこむら返りがひどいので、夜中にアンメルツを塗って必死にコムラ返りを止めようとしていた。
私が「酒を止めたら?」と言っても「2合しか飲まないようにしている。起こってきたのは最近のことだ」という。「確かにそうかもしれないが、歳をとると心臓が弱ってきて静脈還流が悪くなるから、浮腫みやすくなるんじゃない」と言った。そこで親父は一週間禁酒した。するとそれから噓のようにコムラ返りは起きなくなった。
コムラ返りには芍薬甘草湯
コムラ返りは運動中にも起こる。体の電解質のバランスが崩れるからだ。それだけではない。掛け布団を蹴った拍子にコムラ返りが起こる。また長いこと車を運転していると、ペダルを踏みつけている下肢の筋肉にコムラ返りが起こったりもする。日本人は芍薬甘草湯が効くことを知っているので、トランプ大統領のような浮腫みがあっても気にする人は少ない。
ビデオは手の甲の静脈には弁があることを示しているが、無論下の静脈にも弁がついていて、血が逆流しないようになっている。これが壊れると静脈瘤になるが、壊れないまでも弁が血流の逆流を防いでいるので、周りの組織には血管からあふれ出した水分が溜まって腫れてくる。これがトランプ大統領の足首の状態だ。
アメリカでは慢性静脈不全との診断がされているが、有効な治療が行われているとは報道されていない。また手にはアザがあり、これは標準的な心血管疾患予防療法の一環として服用しているアスピリンによる軽度の軟組織の炎症と一致していると報道されている。
- 第351回「下肢の浮腫みとコムラ返り」
- 2025年12月20日
香杏舎ノート の記事一覧へ
患者さまお一人お一人にゆっくり向き合えるように、「完全予約制」で診察を行っております。
診察をご希望の方はお電話でご予約ください。
- 読み物 -
- ●2025.12.20
- 第351回「下肢の浮腫みとコムラ返り」
- ●2025.12.10
- 第350回「東京は貧しい人と豊かな人が混じり合って暮らしている」
- ●2025.12.01
- 120.牛黄【ゴオウ】
- ●2025.11.25
- 第67話「個人での熊対策」
- ●2025.11.20
- 第66話「軽四輪のジムニーが欲しい」
お知らせ
- ●2025.10.28
- オステオパシーの勉強会
- ●2025.05.02
- 背骨ローラーの販売について
※ページを更新する度に表示記事が変わります。











