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香杏舎ノート

第170回「電熱入りベスト」

今の時代、誰しもダウンジャケットを1着はもっている。軽くて暖かくて安い。そんな便利なアイテムにも欠点はある。着膨れして苦しいこと、暖房の効いた室内では暑すぎることだ。

私はいろんなダウンジャケットを試してきた。ダウンジャケットは元々山登りの服装だから、どんな高い物を買っても高級品には見えない。以前、シルクの生地でできたジャケットを買ってみたが、誰にも高級品だとは思われなかった。
10年くらい前、ゼニアのダウンコートを買った。モスグリーンの渋い色が気に入った。でもまだ数回しか着ていない。関東以西では暑くて着ていられないのだ。

冬の日常を考えると、温度の極端に違う場所で我々は生活している。室内、特にデパートや会社、電車の中はとても暑い。一歩外に出ると極端に寒い。服が脱げる環境だといいのだが、そうでないと汗をかいてしまう。
朝、家を出て、寒い道を歩いて電車に乗る。電車の中で汗をかき、電車から降りると寒い道を歩いて会社にたどり着く。このヒートショックは体に堪える。服も進化しないのかと思う。

昔の冬のアイテムの王者といえば、カシミアのコートにペッカリーの手袋だろうか?だが、今はカシミアのセーターがユニクロで売られている時代だから、多くの人は素材やデザインより機能を最優先する時代になった。

電熱入りジャケット

第2次世界対戦の時、アメリカの戦闘機パイロットは電熱入りの皮ジャンを着ていた。ポケットの電池とつないで電熱線を温める。もし、そんなジャケットがあれば、寒い場所を移動する時だけヒーターを入れ、暑い時は電源を切っておればいい。そんな想像をしていた。

電熱入りジャケット昨年、作業服専門店を何気なく覗くと電熱入りのベスト売っていた。寒い時に電気を流して温め、暑ければ切っておればいい。とりあえず買い求めて冬のシーズン使ってみた。値段は確か八千円ほどだった。
右の白い物が電池で、コンセントからだけでなく、PCからも充電でき、携帯電話の充電にも使えるという優れモノだ。

胸のところにあるスイッチを3秒ほど長押しすれば、スイッチが赤い色に点滅し始める。ヒーターはすぐに暖かくなり、3分ほどで点滅は終わり、赤い色が点灯する。赤い色は一番暖かい設定だ。このスイッチをもう一度押すと、白い色に変わり、もう一度押すと青が点灯する。赤3時間、白5時間、青が最大10時間熱を発生するが、やはり赤でないと十分な暖かさを感じられない。電池のブルーの色はLEDが充電状況を示すものだが、普段はポケットに入れてある。

胸のところにあるスイッチ

胸のところにあるスイッチの色。温かさが異なる。

有名ブランドもこういったコートを作って欲しい

昨冬使った経験をいうと、出来ればバッテリーを2個にして、もっと暖かさを強調して欲しい。汗をかいて冬の道を歩いている時、スイッチを入れたら確かに暖かかった。でもジャケットの下に着るのではなく、コレ1枚で過ごせるようなジャケットにして欲しいのだ。

夜、ロゴマークを点滅させながら街を歩くとシュールでとてもオシャレだと思う。コートの上に付いたロゴマークが点滅しているなんてクールだと思わないだろうか?
そんな想像をして楽しんでいる。

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