第221回「イッセイミヤケ・メンズがなくなるとは」
死ぬまでに一度は紺のストライプスーツが着てみたい。
開業医にはストライプの入った少しばかり派手なスーツを着る機会がない。
そもそも私はスーツという服を持っていない。寂しい限りだ。
でもジャケットは普段に着る。だから面白いジャケットを探して着ている。
お気に入りはイッセイミヤケのジャケットだ。
イッセイミヤケの服は手間がかからず、着やすいだけでなく、遊び心がある。
写真のジャケットはCaféという題名のついたジャケットで、シルクやウールが複雑に織り込まれている。着古しているから傷んでいるがとても面白い色をしている。よく見るとコーヒーにミルクを流したような文様になっている。
初めから薄汚れた感じがいい。とても街で着られそうもないように思えるが、実際に着てみると、それほどでもない。
最近、背中の生地が薄くなって破れた。そこでミシンで破れたところを修理した。
ダメージのジーンズがあるようにダメージのジャケットがあってもいい。
昔はコーデュロイのジャケットの肘が破れたら布を当てて修理した。そんな気持ちで着ている。
もう2着ほど面白いイッセイミヤケのジャケットを持っているが、それは裏生地がとても派手なもので、それには江戸の火消しの伝統が息づいている。
それを書いた記事を参考に載せておこう。
有名ブランドの真面目なジャケットを私のようなジジイが来ていると、箪笥の肥やしになっていた古いブランドものを引っ張り出してきているように思われかねない。
そういった意味でもイッセイミヤケのジャケットはよかったのだが、ついに作られなくなってしまった。
- 第221回「イッセイミヤケ・メンズがなくなるとは」
- 2020年10月10日
こちらの記事もあわせてどうぞ
香杏舎ノート の記事一覧へ

患者さまお一人お一人にゆっくり向き合えるように、「完全予約制」で診察を行っております。
診察をご希望の方はお電話でご予約ください。
- 読み物 -
- ●2025.08.20
- 第344回「70年前に住んでいた家」
- ●2025.08.15
- 第343回「日本人は首狩り族だ」
- ●2025.08.01
- 第342回「CIA職員は英語しか喋れない」
- ●2025.07.25
- 第341回「オステオパシーという特別な治療法」
- ●2025.07.20
- 第340回「魑魅魍魎(チミモウリョウ)とした薬剤師の世界」
※ページを更新する度に表示記事が変わります。