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保険漢方の終焉

第1話 保険漢方がもたらした最大の不幸

自動車教習所がないのに車が売られていたら?

もし運転を教える学校がないのに車が売られていたらどうなるだろう?買った人は、試行錯誤で車を動かすことが出来たとしても事故が多発することは想像に難くない。

今から40年ほど前、漢方薬のエキスが保険に収載された。だがその当時、医学部で漢方を教えている大学はどこにもなかった。昔の事情に詳しい漢方医に話を聞いたところ漢方のエキスは政治的圧力で副作用試験も効能効果試験も免除されて保険に収載されたという。
つまり漢方を知らない医者の中に急に保険の漢方薬が出現したことになる。この状況を例えるなら自動車教習所がないのに突然、車が売りに出された状態といえるかもしれない。これが、保険漢方がもたらした最大の不幸といえる。

当時、漢方知識が豊富な先生もいたのだろうか?ごくわずかだがいるにはいた。多分、日本全国で100名ぐらいだ。数少ない開業医の間で漢方の知識は細々と受け継がれていた。漢方を学びたい医者は漢方医の診療所に通い、長い時間をかけて漢方を習得していった。先生の横で患者さんを見ながら体質を学び、生薬の良し悪しの見分け方、漢方の理論を実際の症例とともに学んだ。私が漢方を学んだのはそういった方法だった。

もしあなたが漢方メーカーだったら?

もしあなたが漢方メーカーだったとしたら、薬を売るためにどんな方法を取るのだろうか?医者に効率よく漢方を教え、多くの先生に使ってもらわなければ売り上げが上がらない。だから全国各地で医者を集め、講習会を開催していった。

漢方の使い方は日本や中国では異なり、独特の考え方がある。薬が販売された当時、一部の漢方医は極めて特殊な理論を日本漢方と称していた。その人たちは漢方を学ぶには西洋医学を忘れ、心を空しくして漢方理論を受け入れなければならないと言い、漢方には特殊な理論があると主張していた。彼らの主張によれば、一定の症状さえあれば病名を聞かなくても病気を治せるという。これが方証相対と呼ばれる理論だ。断っておくがこれが本当の日本の漢方ではない。彼らがそう主張していたに過ぎない。

この日本漢方の理論なら多くのことを学ばなくても症状さえ覚えれば漢方が使えることになる。車で例えるならブレーキを踏めば止まり、アクセルを踏むと走るといった単純な知識だ。何故かしら大手漢方メーカーは、この日本漢方の考え方を後押しして講習会を広げていった。

大手漢方メーカーが主導した日本漢方理論

どうして大手漢方メーカーが日本漢方を後押ししたかは分からない。この理論は単純だから一般の医者に受け入れやすかったからかもしれない。多分、日本漢方を採用したのは、奇妙な理論でも即席で漢方を使えるからではないか?もし私がメーカーの販売担当者なら間違いなく日本漢方を選んだと思う。そうでなければそう簡単には漢方を使う医者を増やせない。まず日本漢方の理論で漢方を使ってもらい、漢方に馴染んでからいろんな思想を学んでいけばいい。確かに後年、大手メーカーは中医学などの勉強会も後押していく。

後年大きな問題となるのは、営利目的の企業が医者の教育の中心になってしまったことだ。本来なら医者が漢方の研究と教育を行い、その下で漢方メーカーが薬を販売するという通常の姿ではなくなってしまったのだ。そしてその状況は漢方が大学の講義に組み込まれるまで30年以上も続くことになる。すべての大学で漢方教育が行われるようになったのは2007年からでしかない。

悪いのは我々医者

日本の漢方の大家である大塚先生や矢数先生の著書をみてもいわゆる日本漢方の理論が書いてあるわけではない。ただ多くの医者は漢方の導入初期に奇妙な日本漢方に馴染んだため漢方に神秘性を求め、本来の漢方の姿を見失ってしまった。

繰り返しになるが、漢方を学ぶ基本は経験のある漢方医の下で臨床を積むことだ。実際に治療を見て学べば、昔の漢方医がその当時の知識を総動員して病気と闘い、その戦いの中で、中医学や口訣(クケツ、言い伝えによる薬の使いかた)など多くの考え方が出来たのが分かる。

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