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夢の中の老人

第46話「サバティカルとは」

旅行イメージ「日本ではサバティカルという言葉を知らない人が多いのに驚いた。
サバティカルとは長期の勤務者に与えられる長期休暇のことで、その使用目的は本人の自由となっている。つまり、1年間在職したまま自由な時間をもてる制度だ。欧米では主に大学の教員などに与えられている。その期間、世界旅行をしてもいいし、大学に行きなおして勉強してもいい」そう言いながら老人が夢の中に現れた。

「いい制度ですね。仕事のポジションは与えられたままで様々なことができるのですね」

「そうだ。人生をリセットするのに使われている。日本にはない制度だ。日本でも3-4週間程度の休みをサバティカルと呼んでいる会社もあるが、4週間程度じゃ人生のリセットはできない」

1年間の勉強で何が学べるか?

「でも、たとえば大学に行って勉強するなら1年間は短くないですか?」

「君は教育産業に騙されているタイプだ。君が仕事をしていて同僚が高卒なのか大卒なのかがすぐに分かるか?またその違いを日常で感じることがあるか?」

「それはないですね」

「そうだろ。有名大学を卒業した人に出会っても、にじみ出る教養を感じることもないし、何か修練した人物だと感じることもない。大学が4年と決まっているのは、4年間来てもらわないと大学が金を儲けられないからだ。4年分学費を払って学士という資格をもらうのだが、例えば経済学部を出ているからといって、その分野でのスペシャリストでも何でもない」

「確かに」

「もし仕事で商売をしている人が学問の必要性を感じて経済学を学べば、実務をしているだけに半年でも大変な成果が上がるはずだ。また仕事を電子化して効率化したいと思っている人がネットの勉強をすれば、必要なところだけを効率よく学ぶことができるし、実務で困っていることだから知識の入り方が違う。そういう状況なら半年で十分だろう。後は仕事の間にさらに必要な知識を短い時間で補っていくことができる」

「なるほど。本当に必要とする知識を学びに行くだけなら1年で十分なのですね。資格を取るわけではないからですね」

「そうだ。試験を受ける必要はない。資格を取るために試験が行われているが、資格を取らないなら受験は必要ないだろ」

「確かにそうですね」

学びが20歳頃で終わる不思議

「人は20歳くらいで働き始める。そして65歳で強制的に仕事を辞めさせられる。一度働きだすと入った会社を辞めて転職するのが難しい。転職すれば非正規になることが多いから嫌でも仕事を辞められない。また残業が多いから仕事の後で勉強するのが難しい。昔は仕事が5時には終わったから、それから夜間の学校に行って勉強できたが、いまはそんな時間はない。

江戸時代、基本的な教養は読み書き算盤だった。世の中が複雑化していない時代では、読み書き算盤を学んだら知識を追加する必要はなく、死ぬまで働き続けることができた。明治時代になると、日本が工業化していく必要に迫られたため、大学が作られ、知識を持つ人間が重要視される時代になった。

しかし、ここ20年のインターネットや電子機器の発達により、既存の知識はあまり役に立たず、記憶力や理解力もそれほど重要でなくなってしまった。つまり、教育期間を見直す必要がきている。だから20歳くらいまでに勉強を終えるのではなく、働きながらさらに学んでいくシステムがどうしても必要になってきている。現代は必要とされる知識が急激に変わってきているからだ。AIの知識は無論のこと英語、中国語といったニーズもある。そんな中で会社に閉じ込められていたら自分の知識は上がらない。

学ぶ必要ができたときに学校に行き、必要とされる知識を学べる制度を作らなければならない。中学や高校出であっても必要な知識を効率的に学び、どんどん出世できるような社会を作らねばならない」

「理想はそうですが、現実はなかなか難しいですね。高卒の人が頑張って学士の資格をとってもそれを評価するシステムがありません。新卒で、有名大学を出ていないと大手企業は相手にしてくれません」

まずは通年採用に切り替えるだけでいい

「不可能に思えるが、簡単な制度改革で改善出来る。例えば最近、話題になっている卒業と同時に新卒を一括採用するという悪習を治すだけで事態は改善する。通年採用になれば企業は必要な時に必要な人を採用することになる。そうなると企業が人を見る判断も変わってくる。とりあえず有名大学の学生を採用しておこう、3年くらいで30%は辞めるから多めに取っておこうなどということが無くなる。

そうなると、就職を希望する人がどんな技術をもっているのかといったことが重要になる。春に大学を卒業しているのだが、8か月ほどソフトの開発に従事していたとか、高校を卒業後にアメリカでツアーガイドをしていたとか、様々な人が履歴書を送ってくるようになる。そういう経験を持つ人を雇えば企業の人材に厚みが出てくるはずだ。また企業を辞めて大学に行きなおした人も来るようになる。

つまり新卒の壁がなくなることになる。それは企業にもメリットが大きい。
今のような大学で同じようなことを学んだ人を一律で採用したところでユニークな発想など出るはずもない」

「なるほど。別に新卒の一括採用など、法律で決まっているわけではないのですから改革は簡単です。つまり新卒の壁がなくなるのですね」

「そうだ。そうなると大学生で就職を希望する人の目の色も変わってくる。有名大学だけではだめで、自分で自分なりの売りを作る必要に駆られるようになるだろう」

「なるほど。単なる制度改革で済むわけですから簡単です。これからその方向に動いていくことになりますね」

「日本の教育は画一的だから、いわゆるエリートで面白い奴はいない。従順に塾に行って勉強してきた人たちばかりだ。だからアイデアも出ないし、子供の頃から塾以外の活動をほとんどしていないから新しいことを発想することさえ難しい。
特に問題なのは人と違った経験をしていないことだ。サバティカルで発想を得るために世界中を旅行してもいいし、まったく違う仕事をしてもいい。これがサバティカルの意義だ」

「なるほど。素晴らしいシステムですね」

「もの心ついた時から勉強を強制され、バカな上司の下で働かされて才能を伸ばせず、65歳になると捨てられてしまう。歳をとってからでは勉強は意味がないし、遊びたくても体力もない。これを俺は現代の奴隷制度と呼んでいる」

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