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夢の中の老人

第45話「上場企業でさえITに弱い(ドコモ、セブンPAY、みずほ銀行)」

「地方銀行の預金者の口座から、いつの間にかドコモの口座に金を抜き取られる事件が起きた。ドコモの管理体制に問題があり、また地方銀行のシステムにも問題があった。いずれにせよドコモという一流企業の金融システム設計がはじめから甘かったことに驚いた」

そう言って老人が現れた。

「確かにそうですね。去年の7月に起こったセブンPAYにも驚きました。被害者が1574人、被害額が3240万もあったのにセブンの社長は自分たちのシステムの初歩的なミスの責任を感じていませんでした」

「もっとひどいのがみずほ銀行じゃないかな。何度もシステム障害を起こし、銀行を幾日も閉鎖し、19年かかってやっとシステムを統合できた」

「19年もですか?他の銀行も幾つかの銀行が集まって統合しているのに、みずほだけが何故19年もかかったのでしょうか?」

「最近、本屋に行くとこのシステム障害をどう克服したかという本が売られていた。苦闘の19年、史上最大のITプロジェクトという題名がついていた」

みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」 (日経BP社) – 2020/2/14

「大変な苦労を克服されたわけですね。でも取りようによっては、どれだけ馬鹿かとも言えるわけですね」

通帳を発行するのにお金がかかる「みずほの社長は19年もかかっても統合できたことを誇りに感じているのだろうか?面白いのはシステムが統一されると今度は紙の通帳を発行するのに1,100円を徴収すると言いだしたことだ。無論、今まで通帳を持っている人は免除するなどの条件があるが、口座維持料を取ると言いだしたのだ」

「口座を管理するのにお金がかかります。アメリカでは一定以上の金額を預けていないと毎年口座維持料が差し引かれていき、気がつくと口座の残高がゼロになります。大きなお金を預けていればそれを貸し出して利益を得ることができるので、口座維持料がかからないのですが」

「銀行はマイナス金利の時代だし、融資先は少ない。でも金利もほとんどつかないのだから、一定以上の金額を預けている預金者の口座維持料を免除して、アメリカのように預金の少ない預金者から口座維持料を取るのが正しいやり方だ。だが、そうすると今度は金持ち優遇と言われるのが怖いというわけだ」

「でもネットの通帳発行はお金がかからないだけでなく、いつでも通帳を見られますと言っています」

「面白いのはネットの通帳は最大10年保証しますと言っているところだ。
つまり、10年後は保証無しだ」

「すごい銀行ですね。ネットでも10年しか保証してくれないなんて」

「ネットの発達したアメリカでも最高の重要書類は紙で保管する決まりになっている。預金者は紙の通帳がないと不安を感じるだろう。預金者として例えば1000万持っていてもそれはインクの染みでしかない。でもインクの染みは今までの経験から決して消えない確信を我々は持っている。だが何度もネット障害を起こした銀行ならシステムが壊れる可能性を否定できない。さらに通帳がないので、1000万がネット障害や銀行の都合で10年で消えてしまったら、1000万持っていましたという証拠はなくなってしまう」

「恐ろしいですね。とんでもない銀行ですね」

政府のIT能力も最低

「特別定額給付金の10万円の給付をするときに、マイナンバーカードを持っていると手続きが早くできますと政府は言っていたが、混乱が生じて、結局、紙による申請の方が確実で早かったことは記憶に新しいですね」

日本語はITに向いていない

「政府の制度設計が誤っていたのが原因だが、日本語としての問題もある」

「日本語の問題ですか?」

「日本は文字を発明できなかったから中国から漢字を借りてきて、まずは万葉仮名として使い始めた。つまり当て字だ。暴走族が使う夜露死苦(よろしく)、これが音読みだ。それから漢字の意味をくみ取る訓読みができたので、漢字には音読みと訓読みがある。

名前は音読みと訓読みが混じることがあるだけでなく、ヤマサキと読むのかヤマザキと読むのかという問題もあり、当て字の名前も多い。戸籍は漢字で登録するもので、ふりがなで登録するものではない。だから戸籍で名前を特定できない。また昭和、平成、令和という年号を使うと正確な生年月日を特定しにくい。欧米のようにローマ字26文字とローマ数字だけで情報を管理できる国に比べると圧倒的に不利だ」

「なるほど。それは根源的な問題ですね」

「大阪の地名で十三と書いてジュウソウと読み、杭全と書いてクマタと読ませる。そこに何ら法則性はなく、それを我々はまったく気にしていない。日本人はいつも曖昧な感覚、これは言語学的な問題が根底にあるのだが、そういった世の中で生きていて、それでも問題なく生きていける。また同一民族で感覚も近いから、曖昧でも問題になることはない。ところが一旦ITの世界に入ると、メールアドレスは1字間違えればメールは届かない。俺のような老人はそのような日常にない厳密性に耐えられない」

いまだにファックスなのはお金がないから

「なるほど。もう一つ驚いたのは保健所がファックスを使っていたことですね。裁判所でもメールを使わせないそうです」

「PCは6-7年すると買い換えねばならなかったから、ずいぶん金がかかる。よほど使っていないと採算が合わない。それに引き換えファックスは買い換える必要がなく、ランニングコストも安い。保健所のようにずーっと予算を削られてきた組織では仕方のない部分もあるのではないか」

「なるほど。いろいろな原因があるのですね。でも学校では遠隔の教育が始まっているのに遅れていますね」

「パソコンの一般家庭への普及率は7割くらいあるが、子供が占有して使えるパソコンがほとんどない。また家が狭くてお父さんがテレワークで食卓を使って仕事をしなければならないとなると、テレワークやテレ授業も簡単ではない。結局、日本はいつの間にか子供にパソコンを持たせてあげることも出来ない、とても貧しい国になってしまった」

システムエンジニアは何処にいるの

システムエンジニアイメージ「ふと疑問に思ったのですが、一流企業は一流の大学を出た人たちが経営者になっていて、潤沢な資金もあるのにどうして幼稚なシステムを作ったのですか?優秀なエンジニアがいるはずですよね」

「俺もそのことが気なっていろいろ調べてみた。優秀なシステムエンジニアがいて、そのシステムを評価できる会社の人間がいれば幼稚なミスは生まれないはずだ。

まずはシステムエンジニアの話をしよう。
日本のシステムエンジニアは根暗でオタクというのが通り相場だとある本に書いてあった。確かに明るいシステムエンジニアに出くわしたことはない。
システムに詳しいが、自分の殻に閉じこもり対外的な交渉が苦手だ。だから対外的な交渉を担っているのは少しばかりシステムをかじったことのある愛想のいいコンサルタントのような人たちで、本当の専門家ではないらしい。そういう連中が陰気なシステムエンジニアを奴隷のように働かしてシステムを作るという」

「なるほど。でも会社の役員でシステムに強い人がいれば、幼稚なシステムの欠陥などすぐに見抜けるはずです」

「上場会社の役員は一流大学を出ているが、一度もITを学んだことがないのではないか。恐らく仕事でもシステムを外注して、システムを学ぶ機会が生まれてこないからチェックができないらしい。簡単に言うと企業には ITに詳しい人はほとんどいないので、愛想のいいコンサルタントの言いなりになってしまうようだ」

解決法は?

「ではどうしたらいいのですか」

「学校でITの基礎を教えればいい。受験に必要となればすべての日本人がずいぶん詳しくなる。そしてシステムエンジニアの地位を上げることだ。
だがもっと大事なことは、システムを構築するのは天才的なエンジニアの閃きだから、そういった人材を見つけ出す道を作ることだろう」

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