【 漢方・整体施術 治療症例 】
86.漢方の抗生物質
蒼耳子(そうじし)はキク科のオナモミの実を乾燥させたもの。ひっつき虫として子供のころに遊んだ記憶があるかもしれない。
蒼耳子は副鼻腔炎に大変良く効いたが、保険漢方薬からはなくなってしまった。理由はわからないが、オナモミが絶滅危惧種になっているのが関係しているかもしれない。
また、わずかな毒性があるのが原因かもしれない。
副鼻腔には抗生物質が届きにくいため、抗菌作用のあるものがあれば大変にありがたい。蒼耳子丸を飲むと青色や黄色の鼻水が薄くなるので、細菌感染が抑えられていたと考えている。
漢方の抗生物質としての効果
西洋医学の抗生物質は長く使うと胃腸障害を起こしたり、細菌に対して耐性ができたりして長く使うことができない。そこで強力な漢方薬の抗生物質をつくることにした。
桔梗と枳実を中心に金銀花、枇杷葉、辛夷などを混ぜて、まったく独自の薬を作ってみた。
この丸薬をエンビ丸と呼んでいるが、これを副鼻腔炎に使うと蒼耳子が入っていないにも関わらず良く効く。
1.子宮血管腫に伴う感染:36歳女性
![](https://www.higasa.com/blog/wp-content/uploads/2022/12/dy86-img2-02.jpg)
医の説明書によると子宮を全摘すると書かれていた。
エンビ丸の効果を実感したのは子宮血管腫に伴う感染症のケースだ。
血と膿が出続けて止まらず、抗生剤が効かない。
止血の薬も西洋医学には飲み薬でいいのがない。止血には芎帰膠艾湯という薬に浦黄(ガマの花粉)や阿膠(あきょう、ニカワ)を入れて作った止血丸が良く効く。これは芎帰膠艾湯をベースにしているので私のまったくのオリジナルではない。
これとエンビ丸が大変良く効いて出血が止まり、感染も収まったので、子宮の摘出を免れた。
2.原因不明の血管炎にも著効:75才女性
原因不明の血管炎で下肢に潰瘍が広がった。血管炎の治療ができないため2年以上潰瘍ができたままで苦しんでいた。
血管炎が投薬でよくなり皮膚の発赤も取れてきたが、潰瘍がいつまでも治らないためエンビ丸を投与したところ傷口がどんどん治っていった。
傷口を洗うだけの対応しかできていなかったので、とても喜んでくれた。
皮膚の色を見る血管炎が収まって赤みが取れているのがわかる。(潰瘍は内くるぶし付近)
3.歯槽膿漏の治療
エンビ丸は歯槽膿漏による膿を止めて歯肉の炎症も収まる。
歯槽膿漏で歯槽骨が溶かされてくると歯が抜けてしまうが、エンビ丸は歯槽膿漏の菌が歯槽骨を溶かすのを止める。そこで歯槽骨を作る独活寄生丸で骨を丈夫にしてやればインプラントをしなくて済むようになる。歯槽膿漏は大変多くの症例があり、ほとんどがうまく治った。
自作したエンビ丸は不思議なほど良く効き、菌交代現象も胃腸障害も心配なく飲め抗生物質の代わりになる自作丸だ。
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86.漢方の抗生物質 - 2023年01月01日
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