第320回「性交痛で悩む患者さんへ」
肉従蓉という生薬がある。もともと元気を治す薬として患者さんに投与していた。肉従蓉そのものを丸薬にした肉従蓉丸と、肉従蓉に熟地黄を混ぜて滋養強壮作用を強めた肉地黄丸を作っていた。もう20年くらい前のことだ。しかし、肉従蓉は元気が出るまでに時間がかかるから使わなくなった。現在は元気を出す薬として鹿茸や牛黄を使っているのは飲んですぐに効くからだ。
ある時、中年の女性が恥ずかしそうに「肉従蓉丸を飲んでから性交痛が無くなった」と小声で教えてくれた。これは婦人科でいうバルトリン腺嚢胞が、よくなったのか、それとも加齢による機能低下がよくなったのかは、はっきりしないが、性交痛が改善するならそれを目的に使ってみようと考えている。
ボトルに使用禁止と書いてあるのは、肉従蓉は非常に粉末になりにくい生薬で、凍結して粉末にするか、もしくは炒って乾燥させるしかない。現在は粉末を売っていないので、使用禁止にしている。
しかし、丸薬はまだあるので、どのくらい効果があるか試してみようと思っている。
- 第320回「性交痛で悩む患者さんへ」
- 2024年12月10日
こちらの記事もあわせてどうぞ
香杏舎ノート の記事一覧へ

患者さまお一人お一人にゆっくり向き合えるように、「完全予約制」で診察を行っております。
診察をご希望の方はお電話でご予約ください。
- 読み物 -
- ●2025.05.01
- 第333回「ヒカサかヒガサか?」
- ●2025.04.23
- 第332回「直径5ミリの丸薬を作る」
- ●2025.04.20
- 第331回「医者が失業する時代」
- ●2025.04.01
- 第330回「トランプ大統領の暴挙」
- ●2025.03.10
- 第329回「代官山の美容室 黒須先生」
※ページを更新する度に表示記事が変わります。