第290回「zoomやLINEの利便性」
最近はテレビ電話での会議が頻回に行われるようになり、わざわざ出張する必要が無くなった。私も2つの職場を10年前からテレビ電話で繋いで毎週のように会議をしている。
ある時、1人暮らしの従業員に連絡が繋がらないことがあり、職場の人が心配してLINEをスマホに入れてあげた。その女性は足を骨折して病院に緊急入院した。家に帰れないので、友人に家の中に入ってもらって、入院に必要な物の場所を指示して病院まで持ってきてもらった。
テレビ電話はビジネスのみならず我々の生活に大いに役立っている。
テレビ電話を続けると弊害が出てくる
長い間、テレビ電話での会議をしていると、弊害が出てくることが分かってきた。相手の雰囲気が伝わってこないのだ。腹を立てているのか、提案に賛成できかねているのかなど微妙な雰囲気をつかめない。だから時々、直接会って相手の感情を確かめることが必要だ。
またテレビ電話の会議では出席者と雑談ができない。雑談から新しい企画が生まれることも多いので、アメリカではテレワークではなく、毎日出勤するように義務づける会社が出てきた。
便利なテレビ電話だから遠隔診療に使える?
電話で患者さんの病状を聞くよりテレビ電話で遠隔診療できれば役に立つ。顔色、皮膚の症状、関節の腫れなどを細かく観察することができる。
だが、テレビ電話による遠隔診療では状況は把握できても治療ができない。だから、結局は近くの医者を受診することになる。
漢方丸薬治療では遠隔診療が容易
西洋薬を使っていると、新たな副作用が発見されて追加のデータが次々と送られてくる、だから自分に使っている薬には極力注意を払っておかねばならない。ところが漢方薬は昔から使われているから新しく薬の効能を確認する必要がない。
私が使う生薬は日本薬局方に載っている生薬だ。それでも1つ1つの生薬を薬理作用や動物実験のデータを確認して使っている。漢方薬の1番の問題点は西洋薬のように化学方程式で表現できるような物資ではなく、いわば草根木皮だから効果が弱い。
漢方ではどう強い効果を出すかが腕の見せどころだ。
漢方薬をどう効かすか?
お茶を飲むとカテキンなどの成分はまだ茶葉に残っている。もし粉末にしてしまえば有効成分をすべて摂取できる。さらに粉末を丸薬にすれば大量に飲むことができて効果も倍増する。
丸薬は直径1ミリが最も飲みやすく、経験的に1日30gまで投与することができる。
私は副作用のある生薬を初めから省いている
甘草という生薬がある。
砂糖の50倍から100倍の甘さがあり、食品添加物としても使われる。甘草は煎じ薬を飲みやすくする為に入っているが、取りすぎると偽アルドステロン症という病気になる。
私は初めから甘草を処方の中から省いている。丸薬にすれば味を調整する必要はないからだ。こういった具合に少しでも副作用のある生薬を前もって省いている。
釣藤鈎(ちょうとうこう)の作用
私は単味の丸薬を作って未だ知られていない生薬の効果を研究してきた。そんな誰も知らない作用の一つとして釣藤鈎を上げてみよう。
釣藤鈎は平滑筋弛緩作用のみならず横紋筋弛緩作用もある。また鎮静作用もある。
- 脳血管を広げるので、頭帽感(小さな帽子をかぶっているような頭が締め付けられる感じ)を取ることができる。
- 肺の細気管支を緩めるので喘息に効く。
- 鎮静作用があるので、不眠に効く。いくら飲んでも安全で、習慣にならずによく眠れる。
このような誰も知らない生薬の効果を知っているのが私の強みだ。
- 第290回「zoomやLINEの利便性」
- 2024年01月25日
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