第274回「高齢者の様々な関節に起こる痛み治す薬」
65歳以上になるといろんな関節が痛くなる。
朝起きる時、腰が痛くてなかなか起き上がれない。 洗面所で歯を磨こうと思ってもかがむことができない。だがしばらくすると不思議なことに痛みがなくなる。長いこと車に乗っていると、体が固まって車から降りるときに腰が痛くなる。だが、少し歩くとすぐに痛みはなくなる。
ある時は急に膝が痛くなって歩けなくなったりするが、毎日は続かない。そんな症状がいろんな関節に日替わりで起こってくる。
72歳の男性
合気道の師範をしている。歩いていると急に足が痛くなって歩けなくなってしまった。道端にしゃがみこんで10分ほど休んだらまた歩けるようになった。時々そんな症状が出る。
足の血管が細くなって痛みを起こす血管の狭窄かと思ったが、同じ距離を歩いても痛くないこともある。この人は骨盤のゆがみが原因でそれを矯正することで痛みはなくなった。
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保険所に苦情の電話をした患者さん:83歳の男性
「脊柱管狭窄症で足が痺れだした」と来院した。しびれは強いときもあれば、ないときもある。西洋医学的には手術しかないが、手術をしても完全に治るかわからないから漢方薬だけで治して欲しいという。
私のクリニックでは身分証明として健康保険証を見せてもらうことにしている。免許証でもいいのだが、顔写真は必要ないし、住所と本人確認したいだけだから保険証で十分だ。その患者さんに「健康保険証で」とお願いしたのだが、何が気に障ったのか保健所に電話をかけて文句を言ったらしい。
保健所から電話がかかってきた。「患者さんから苦情の電話があった。何故、運転免許証ではだめなのか」と患者さんが言っているという。無論、免許証でもいいのだが、当時は保険診療もしていたので、もしかしたら保険診療ができるかもしれないと思ってのことだと説明した。
患者さんが薬を飲みはじめて1か月半で症状は消え、調子がいいのか、自分のお嬢さんをクリニックに紹介してきた。
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独活寄生丸
高齢になると筋肉や腱が弱って骨格が歪みやすくなり、少しの外力でも腰が痛くなったり、膝が痛くなったりする。しかし、すぐに治る。本格的に骨格が歪むまでは治ったりまた痛くなったりを繰り返す。
私もいろんな関節が痛みだした
私も椅子から立ち上がろうとすると腰が痛いことがある。歩いていると膝の違和感を感じて、その場で立ち止まって腰のストレッチをすると治ったりする。
こんな症状が出始めたので、自作の独活寄生湯丸を毎日飲み始めた。するとすべての症状が消えただけでなく、気力も出てきた。
もともとこの薬は骨が変形してしまった変形性膝関節症や脊柱管狭窄症に効く薬だが、初期の関節の違和感に、これほど効くとは思わなかった。元気も出てきた。おそらく骨格の歪みが内臓にも影響を与えていたのだろう。
もしいろんな関節が痛みだしたら、早くから薬を飲むことをお勧めしたい。
- 第274回「高齢者の様々な関節に起こる痛み治す薬」
- 2023年07月20日
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