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香杏舎ノート

第196回「薬剤師の資格が危ない」

人口あたりの薬剤師数は世界第2位

受験生を持つ親戚が訪ねてきた。女の子なので薬剤師にしたいと言う。

私は「今から15年位前、急に薬学部がたくさんできて、薬剤師の数が増えると予想されていた。確か、その当時でさえ薬剤師の数は世界的に見て平均以上だった記憶がある。今はどのくらいなのか調べてみよう。」そう言って私はスマホで調べ始めた。

http://top10.sakura.ne.jp/WHO-HRH-25.html
(世界ランキング – 国際統計格付センター)

「ほら見てごらん。世界第2位だよ。しかもずいぶんと多い。先進国に比べて2倍以上の数字だ。その辺の事情を詳しく知るために、知り合いの薬剤師に聞いてみるから、また連絡するね。」そう言って面談を終えた。

調剤薬局に勤める薬剤師の意見

「私の周りの薬剤師で子供を薬剤師にしようと思う人は誰もいません。薬剤師が増えているからです。これからもっと増えていくと思います。」

「薬剤師になるためには6年間学校に行き、国家試験を受けなければならないよね。合格率は平均8割位だが、私立だったら学費が1000万かかる。登録販売者の問題もあるのだろう?」

「登録販売者は2年間ドラッグストアに勤めて試験を受ければなることができます。受験資格に学歴は必要ありません。薬剤師が売ることのできるガスターといった第1類のお薬以外は売ることができます。つまり売られているお薬の95%は売ることができるわけです。調剤もできます。」

「確かにそれなら6年もかけて薬剤師になる必要は無いよね。努力をしても採算が取れない可能性が高いもの。しかしどうしてこんなに薬剤師が増えたの?」

「それがよくわからないのです。私の勝手な想像ですが、文部科学省が大学の生き残りの為に薬学部の創設を許したのではないかと思うのです。」

「なるほど。文化系の学部しかない大学にとって、少子化対策として国家資格の取れる薬学部を併設すると言うのは、確かに大学の生き残りとしてはいい方法に違いないね。」と私はつぶやいた。

薬剤師の資格を持つ研究者の意見

次に私は大手製薬メーカーで研究開発を担当する薬剤師にインタビューを行った。

「昔は薬剤師の資格を取らずに研究開発だけに没頭する薬学部を出た先生がいると聞いたことがあるのだけど、今はどうなんだろう?」

「私の周りの薬学部出の人は、すべて薬剤師の資格を持っています。」

「理学部を出た研究者も多いと思うけど、薬学部出の人とはどう違うの?」

「理学部を出ていても、皆、修士課程を終えていますので、合計6年と言うことになります。どちらがどうかと言うことは私には分かりません。研究分野は全て英語が標準語です。将来AIによって取って代わられる仕事も多いように思います。ただ研究職ではなく、薬剤師で営業に関わっていた人たちは随分とリストラされたようです。」

薬学部を出ていてもとても優秀な成績でないと一流企業には勤めることができないし、理学部出の先生たちとの競争も熾烈なようだ。

MR(医療情報担当者)からの情報

お医者さんのところに出向いて医療情報を説明する仕事、通常MRと呼ばれている仕事についても調査を行った。

「薬剤師の先生ではなくてもMRの仕事ができます。薬剤師の先生でMRをやっている人もいますが、将来が明るいとは言えません。かなり厳しいリストラが行われています。理由は2つです。
1つ目の理由はインターネットの発展で、知識を伝達する方法が多様化したからです。わざわざお医者さんのところまで出向いていく必要がなくなったのです。そんなわけで、アメリカではMRの数が以前の30%まで落ちたと言われています。

2つ目の理由はお医者さんへの接待が禁止されたことです。以前は薬の説明会をしてお医者さんを食事などに連れ出すことができたのですが、今は一切禁止されています。これからMRの仕事はどんどんなくなっていくと思われます。」

結論

私は親戚の人に電話をかけた。そして薬剤師を勧めない理由を次のようにあげた。

  1. あまりに有資格者が多く、これからもどんどん増えてくること。
  2. 登録販売者という不思議な資格者に職場を荒らされていること。
  3. 一流企業に研究者として就職するのは極めて難しいこと。大学などで研究者になっても食べていくのが難しいこと。

どんな仕事もAIの影響受けているが、特に知的な仕事ほどAIの影響が大きいように思う。
少なくとも6年も時間がかかり、人が溢れている薬剤師になるのは得策ではないと言って電話を切った。

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