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香杏舎ノート

第13回「効かない漢方薬」

漢方薬は西洋薬にもひけをとらないほどよく効く薬なのだが、一般的にはそれほど即効性のある薬とは思われていないようだ。うちのクリニックを受診した患者さんに聞いてみても以前に漢方薬を飲んでいたが、あまり効かなかったという人が多い。どうしてそういうことが起こるのか。そこにはあまり知られていない幾つかの問題点がある。

漢方の作り方の問題点

漢方薬は本来煎じ薬として飲むか、生薬を粉に引いて散剤として飲む。もしくは生薬末を蜜蝋で固めて丸薬にして服用してきた。現在、保険で使われている漢方薬は、生薬を煎じた液から水分を蒸発させて作った、いわゆるエキス漢方だ。コーヒー豆を引いて入れたコーヒーが煎じ薬とすれば、インスタントコーヒーがエキス漢方といえる。エキス漢方が作られたおかげで煎じる手間がなく、気軽に薬が飲めるということから爆発的にエキス漢方が使われるようになった。

問題なのはエキス漢方は煎じ薬や丸薬と同じ効き目かということだ。じつは煎りたてのコーヒーとインスタントコーヒーの味が違うように作り方によって、効果が全く違ってくる。

桂枝茯苓丸という薬を例に説明してみよう。これは桂枝、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬という五つの生薬の粉末を丸薬にしたものだ。保険薬にはこの丸剤はない。かわりに桂枝茯苓丸料というエキス漢方が用意されている。同じ生薬を使っているが粉末を丸剤にしたものではなく、煎じてエキスにしたものだ。粉で使用しても煎じ薬で飲んでも同じ効果というわけではない。熱をかけて煎じると桂枝の揮発成分が飛んでしまって薬としての効果が落ちてしまう。さらに水分をとばしてエキスにすると桂枝の有効成分はほとんど失われる。桂枝とはシナモンのことで、体を温め、血流をよくする作用があるのだが、あの独特のシナモンの味も匂いも抜けてしまう。

以前エキスしか使ったことがなく、初めて丸剤を使ったとき、同じ薬なのにこんなに効果が違うのかと驚いたことがある。それほど作り方によって薬の効き目に違いがでる。古来より丸剤や散剤が使用されてきたのにはそれだけの理由がある。

私の医院ではエキス漢方で失われた桂枝を補うためエキスの桂枝茯苓丸料に桂枝の末を入れて使っている。そうでもしないと使えないのだ。
こういった作り方での問題は他にもあるのだが詳しいことは割愛する。いずれにせよエキス漢方のこういった作り方の問題点を知らなくては薬を上手に使えない。

量の問題

漢方薬の一日必要量を決めることは意外と難しい。漢方薬が純粋な単一の物質でないからだ。同じマグロでも赤身とトロが別の物のように違うように天然の物質にはばらつきがある。またさまざまな薬物を含む生薬を幾つも組み合わせて漢方処方が作られているだけに一日量を決めるのは難しい。だから昔の漢方薬の本には生薬の組み合わせだけしか書いていない本もある。量は自分の経験で決めろというわけだ。生薬は天然のものだから良い生薬が取れる年、成分の薄い生薬しか取れない年もある。だから漢方薬のさじ加減は経験がものを言う。

エキスを作る元になった煎じ薬の量も問題だ。葛根湯という風邪の漢方薬を例にとって話そう。葛根湯は七つの生薬の組み合わせで作られており、その合計グラム数は一日17グラム。これを基準にエキス漢方が作られている。ところが葛根湯の煎じ薬の一日量を42グラムと書いている昔の本もある。二倍以上の開きがある。だから葛根湯エキスの一日投与量17グラムは本当に十分なのか、はなはだ疑問だ。

エキス漢方を使用している経験からいって、どのエキス漢方の量も少なすぎると思う。一日量の二倍量程度が標準投与量だと思う。通常の一日量はお酒でたとえるならほろ酔い加減にもならない量だ。たまたま酒によほど弱い人にしか効かない量といっても過言でないと思う。これら量と作り方の問題点は成川一郎氏の漢方の主張という名著があるので、興味のあるかたは参考にされるとよい。

漢方を使用する人の知識の問題

今でこそ漢方を勉強する研究会、学会が多くあるが、私が漢方の勉強をはじめたころは、そういう勉強の場所がほどんどなかった。今でもよく覚えているのだが、漢方を勉強しはじめた頃、そのことを看護婦さんに話したら、「漢方みたいな迷信を信じて」と笑われた覚えがある。それほど漢方は市民権を得ていなかったのだ。

エキス漢方が保険で使えるようになってから漢方は爆発的に使用されるようになったが、本当に上手に漢方を使うためには、実際に診療を見学して知識を磨く必要があった。ところが大学で漢方を教える講座は無かった。私は幸いにも幾人かの良師に恵まれたのだが、こんな事情から医者を含め薬剤師の先生も漢方の使い方が今よりは上手ではなかったと思う。

患者さんにも漢方に対して過大な期待があったのかもしれない。西洋医学の医療体系中心の医療中で、どの病気には漢方の方が西洋医学の治療より効果があるのかといった問題が厳密に検討される前に漢方が漫然と使われ、その効果が期待されてしまったのだと思う。

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