ドイツをつぶすためにアメリカはウクライナに援助している

EUはアメリカに対抗するために欧州が協力してユーロという統一通貨を作った。2002年から通貨統合が開始された。はじめは１１か国が参加したが、今では１９か国が参加している。

ユーロ圏のGDP合計は1710兆円にもなり、おおよそ米国と中国、それにEU（アメリカを除いたG6）が世界の経済を三分割している。

EUはドイツ帝国

ドイツのGDPはEUの25%しかないが、上位３か国の中で第２位のフランスと第３位イタリGDPを合わせたGDPを持つ大国だ。関税のかからないEU圏にドイツ資本の工場を作り、EUを実質上ドイツのものにしてしまった。

ドイツ帝国に逆らうとどうなるか？

イギリスを見ればわかる。

イギリスは自国のポンドを守り、通貨統合には参加していないが、ユーロには参加していた。だが、ユーロの移民政策を嫌い、ブレグジットを行った。EUから離れてみると、人の往来には制限はないが、物の移動には通関が必要になり、輸出入が大幅に減り、経済が大きな打撃を受けている。さらにロンドンのシティの立場も危うくなってきた。

こんな事情からイギリスはTPPに参加を希望していて、さらに日英同盟を模索している。

ウクライナ戦争はアメリカがドイツをつぶすため

ウクライナはソビエト連邦の１５の共和国ではなく、もともとロシアの領土だった。だがベルリンの壁が壊れた1992年、ソビエト連邦が崩壊したときに独立した。

クリミア共和国はソ連のフルシチョフが誤って共和国として独立させたが、ロシアが西ヨーロッパの一員として存在するためには、クリミア半島を渡すわけにはいかない。もし他国がクリミアを取ろうとするとロシアは間違いなく核を使うだろう。それほど重要な拠点といえる。

アメリカの戦略

2014年クリミア共和国をロシアが支配したが、EUもアメリカも不凍港の重要性を知っていたから、戦争をおこすようなことはしなかった。

しかし、ドイツが巨大になるのを防ぐために、アメリカはウクライナに罠を仕掛けた。それはアメリカは何年も前からウクライナをNATOに加盟させるべく、兵隊をポーランドに送ってウクライナ兵の軍事訓練を行っていた。

ゼレンスキーというコメディアン

政治を知らない役者のゼレンスキーは、ウクライナのNATOへの加盟を希望した。プーチンは自国の領土がNATOに入っては自国の安全保障が保てないので、クリミア併合の時の欧州の沈黙を信じてウクライナに進軍したが、アメリカはドイツの弱体とロシアの弱体を狙っていたから、ウクライナ軍に６兆円もの援助をしてウクライナを助けることにした。

またNATOも武器や資金の援助を行っている。
NATOは兵隊を出さずにウクライナとロシアの殺し合いを援助しているだけだ。戦争が終わったときの復興支援はドイツがすることになり、その費用は70兆から80兆と言われている。そうなるとアメリカの思惑どうり、ドイツ帝国の台頭を防ぐことができるし、ロシアの弱体化も同時に起こることになる。

アメリカがそんな馬鹿なことをするはずがない

NATOが攻撃を受けたら、それはNATO全体の脅威として戦うことになっている。
2001年アメリカのワールドトレードセンターにアルカイダが攻撃を仕掛けたことで、NATOは初めて一団となってアフガニスタンに進軍した。

アメリカは20年の歳月と700兆の戦費、アメリカ兵7000人が死亡する戦争を続けてきた。しかし、撤退さえままならない状況で終戦を終えた。アメリカは第２次世界大戦以来、ベトナム戦争を含め、一度も勝利していない。

ソ連時代から天然ガスを買っていたヨーロッパ

冷戦時代からドイツは天然ガスをソ連から買っていた。ガスのパイプラインは安くて西ヨーロッパを温め、石油や穀物もヨーロッパを豊かにしてきた。

つまり地中海を中心とするEUやロシアには、アメリカの知らないEUの関係が構築されていた。それをアメリカはつぶすために戦争を起こして、ドイツの台頭を抑えることができた。

NATOはロシアを追い詰めているつもりが、反対に困窮しているのはNATOのほうだ

ロシアを追い詰めているつもりのドイツやフランス、イギリスではスーパーインフレがおこり困窮してきている。アメリカは経済制裁をかけるために世界貿易でのドル決済（SWIFT）からロシアを除外したが、ロシアの天然ガスや石油、穀物をルーブルで買いたい国が多いので、ルーブルはかえって高くなった。
これ以上、戦争を続けると被害を受けるのは西側諸国であることは間違いない。

アメリカの民主主義に踊らされるな

アメリカの真の目的を知れば、日本がNATOに肩入れするような動きは止めたほうがいい。

ロシアは危険で厄介な隣人だが、日本車を買ってくれているし、天然ガスを売ってくれてもいる。アメリカの民主主義の仮面を被った覇権主義を見破っていかねばならない。