【 漢方・整体施術 治療症例 】
96.心臓カテーテルアブレーションの失敗の治療
自律神経には交感神経と迷走神経があり、交感神経は心臓の鼓動を速くし、迷走神経はゆっくりにする。
もう何十年も前、心室性不整脈の患者さんが、「不整脈が起こった時、お風呂で左肩に熱いお湯をかけると不整脈が良くなる」と教えてくれた。そこで、左肩の凝りが不整脈の原因と考え、肩から瀉血で血を抜くと発作が起こりにくくなることを見つけた。
左肩の凝りと不整脈の関係は分からなかったが、諏訪長生館の丸茂真先生の「背中に触れて病気を治す」(絶版)を読むと、(左胸椎の4番付近の骨格の歪みから不整脈が起こる)と書いてあった。そこで、その付近の胸椎をまっすぐにすると、確かに不整脈が治ることが分かった。
交感神経は背骨の間から内臓に分布
交感神経は知覚神経や運動神経と共に背骨の間から内臓に分布しているので、交感神経が背骨に挟まれると、坐骨神経痛ように機能障害を起こしてくることは、十分に想像できる。
だから骨格の歪みを治すことで、不整脈が治ってもおかしくはない。だが、交感神経は心臓を速く打たせる神経なので、どうして背骨を治して交感神経を刺激することで治るのかは疑問だった。
迷走神経を刺激する咽頭神経反射とアシュネル法
迷走神経は心臓に対して抑制的な働きをするので、脈をゆっくりにするには、迷走神経を刺激してやるのがいいはずだが、脳幹部から臓器に分布しているので、直接神経を刺激する方法がほとんどない。
迷走神経を刺激する方法として、咽頭反射を利用するがある。
何十年も前、731部隊にいた生理学教授が心筋梗塞を起こした。心筋梗塞が横隔膜に接する下壁梗塞から、しゃっくりが止まらなくなった。ICUに入院していた教授は咽頭部に氷を押し当てて咽頭反射を起こして、しゃっくりを抑えていた。
つまり、三叉神経を介して脳幹部の迷走神経に働きかけていたのだ。
他の三叉神経を介して迷走神経に働きかける方法は、アシュネル反射といい、瞼を指で押さえて三叉神経を介して迷走神経に働きかける方法だが、網膜剥離などの危険性があるから、両方の手技とも簡単には迷走神経を刺激できない。
心臓カテーテルアブレーションの失敗による再発
54歳女性の不整脈を施術だけで治療していた。治療は難しいので、未熟な鍼灸師に細かく指導しながら治療していた。その鍼灸師は突然、病気だと偽って私のクリニックを辞めて自分の施術所をオープンし、女性の患者さんを連れて独立した。
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独立後、女性の不整脈が再発したが治らず、とうとう心臓カテーテルアブレーションの治療を受けた。それでも不整脈が再発して止まらない。そこでクリニックにいる熟達した施術師に治療させると不整脈はなくなった。
その鍼灸師はただ胸椎の4番さえ治せばいいと考えていたようだが、そうではない。施術は頚椎から腰椎まですべての背骨のズレを治して関節の可動域を良くする。特に重要なのは頸部、顔面の治療で、ここには三叉神経が分布しているから三叉神経を通じて迷走神経に働きかけることができる。また胸鎖乳突筋には迷走神経の運動枝が入っているので、迷走神経に働きかけることもできるのだ。
漢方薬による治療
心臓のリズムは、洞房結節の虚血で起こるから血流を良くしてやることで治療することができる。近年に作られた冠心II号方は心臓の虚血を治す薬だ。狭心症、心筋梗塞などに使われる。
丹参、降香、赤芍の3つの生薬からなる。ここの中で1番効いているのは丹参だ。赤芍は芍薬の根の外皮を剥いだもので、駆瘀血作用があると言われているが、白芍薬(一般の芍薬)でもあまり変わりはない。
73歳男性は不整脈が起こったので、通導散と丹参を投与することで不整脈は消えた。治療は施術だけではない。
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誰にでも不整脈が起こる
50歳台になり、骨格が歪みやすくなると誰にでも不整脈が出てくる。自然に治ることもあれば、病院で薬を投与されることもある。
心室性不整脈なら脈が飛ぶ時、息が詰まる感じがすることが多い。食べすぎると胃の膨らみによって横隔膜が押し上げられて不整脈がひどくなる。だから不整脈のひどい人は食べすぎないように注意している。
心房性不整脈は自覚症状が少ない。大抵の不整脈は施術と漢方薬でおさまる。
高血圧の治療
横山(仮名)さんは血圧が高い。最高血圧が180もある。薬を飲みたくないので施術を始めた。
血圧は西洋薬を飲めば簡単に血圧が下がる。1日1錠で済むし、保険なのですごく安い。だから施術で血圧を下げようとは誰も思わない。
しかし横山さんは施術で血圧を下げて欲しいという。施術をすると血圧が160まで下がった。施術をして3日くらいするとまた元に戻る。施術を受けるとまた下がる。
そういうことを繰り返すうちに1年を通して160以下になり、薬を飲まなくて良くなった。骨格を正常に保つことがいかに大切か教えてくれる症例だった。
アシュネル反射
眼心臓反射(がんしんぞうはんしゃ、Oculocardiac reflex)とは、主にヒトにおいて眼球付近の手術を実施した際に、徐脈や不整脈、場合によっては心停止をきたすことのある反射である。眼球心臓反射と呼ばれたり、アシュネル反射(Aschner reflex)と呼ばれることもある。眼球付近を走る第V脳神経の三叉神経に刺激が加わったことで、第X脳神経の迷走神経に影響が出て心臓にも影響を与えることで発生する。
<引用元>Wikipedia
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96.心臓カテーテルアブレーションの失敗の治療 - 2023年07月01日

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