第302回「高級車とは」
世界で一番売れた車はカローラで累計5000万台だ。今でも年間112万台売れている。高級車と言えばメルセデスベンツを思い浮かべる。世界中のVIPに愛されている。乗ってみればすぐに分かるのだが、必要な装備は初めから標準装備されていて追加の装備は必要ない。
30年間メルセデスに乗ってきて特に便利だと思うのは、外気温を測る温度計が標準装備されていることだ。今ではどの車にもついているようだが、当時は無かったと記憶している。冬に橋の上を走る時、地面がない所では道路が凍結しているのでスリップする危険があるし、そうでなくても路面の温度は激しく変わる。日向では「+」でも日陰では「-」に変化するから温度計を見ながらスリップしないように走ることができた。
メルセデスは6台乗り継いできたが、どの車に乗り継いでも、まったく同じ使い方なので、すぐに運転できるのも優れた点だ。世界で204万台も売れている。
ダイアナ妃が乗っていて事故を起こしたメルセデス車はダイアナ妃が乗る数年前に事故を起こして廃車になっていた。それを修理して最高級のセダンのマークに張り替えて乗っていた。運転手はひどく酔っていて事故をおこした。事故を起こした時、イギリスMI5の陰謀だと囁かれたが、ドディ・アルファイドは新車を買えるほどリッチなセレブではなかったのだ。
本当の高級車とは?
私はメルセデスSLC AMG 4000ccに乗っていたが、これは高級車ではない。世界で204万台も作っている車の性能を上げたものだからだ。またBMWやポルシェも高級車ではない。BMW239万台、ポルシェは32万台も作っている。
生産台数の極端に少ない車
本当の高価格車は、販売台数が極端に少ない車だ。ロールスロイス5,586台、フェラーリ11,155台、ランボルギーニ8,205台、マセラティ24,200台、アストンマーチン6,178台。
これだけ少ないと1台5,000万円しても何の不思議もない。特にフェラーリはレースでいい成績を残しながらの価格だから高くて当たり前だ。そういった車に乗りたい、金持ちに見せたい人の気持ちも分かる。
もう随分前だがカーグラフィックという雑誌の記事で、軽四に初めてターボがついたモデルの40キロから80キロという街中で必要な追い越し加速がポルシェ911より速かった。慌てたポルシェはすぐに馬力を高めた。こういう高価格車に乗りたい人もいるが、日本の街中ではその性能をまったく発揮できない。ある意味、軽四と比べても性能は変わらない。
私はポルシェ911を運転したことがあるがとてもいい車だ。代官山のTサイトには時々車の展示がされる。ある時、散歩がてらに行ってみると、右ハンドルの911が展示されていた。当時の値段は1400万円位だった。
私は東京に車を置いていない
代官山の地下駐車場は月5万円、銀座の仕事場の駐車場は月10万円するから合計15万円。銀座の駐車場は仕事場から離れているから、車は関西に置いていた。関西の自宅マンションの駐車場は屋根があり、月2万円だ。
ある時、ヤナセがメルセデスSLを1日貸してくれた。街中を走るにはいいが、武庫川の河川敷の道路を走ると幅が2メートル近くあるから怖くて走れない。六甲山もカーブをアウト・イン・アウトでは走れないので面白くない。ただし、シートには送風機がついていてシート皮の細かい穴から空気が送られてきて、汗でベタつかない。乗り心地もよく、最高のグランドツアラーだと感じた。
ポルシェは車の利益を上げるのに熱心だ
ポルシェの利益率は18%だ。トヨタの利益率はたったの6%だ。それでもポルシェは収益を上げるのに熱心だ。
ポルシェ911やケイマンなどの車以外のポルシェを電動化している。電気自動車は内燃機関のエンジンより部品数が10分の1で済むから利益率が高い。ただし、ドイツ国内で需要は少ない。アウトバーンを走ると電気自動車のメリットを活かせないからだ。ドイツのレギュラーガソリンは1リットル300円もする。ドイツではガソリン代が月に40万円もかかる。親会社はフォルクスワーゲンで、排ガス規制で不正を働いたので評判が悪い。
車名 | 1年間販売台数 | 車幅(ミリ) |
---|---|---|
ロールスロイス | 5,586 | 2,017 |
フェラーリ | 11,155 | 1,974 |
ランボルギーニ | 8,025 | 2,033 |
マセラティ | 24,200 | 1,945 |
アストンマーチン | 6,178 | 1,940 |
ポルシェのバッテリー
ポルシェのバッテリーは2週間しかもたないという。もしそれ以上乗らないのなら電極を外すか、オプションの大きなバッテリーに変えてくれという。【オプションは何がありますか?】と聞くと「スポーツサスペンション」という。無駄な物を買わそうとするのに驚いた。
私は高価格車を買えるほどお金を持っていないし、それを欲しいと思うほどの劣等感もない。東京では若者がロールスロイスを運転しているが、自分で運転するほど寂しいことはない。車は自動運転になってきて誰でもが使えるコモディティになっていくはずだ。
車種 | 生産台数 | 車幅(ミリ) |
---|---|---|
メルセデスslc 4000cc | 204万台 | 1,840 |
BMW | 239万台 | 1,808 |
ポルシェ | 32万台 | 1,808 |
カローラ | 112万台 | 1,745 |
- 第302回「高級車とは」
- 2024年06月10日
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