私は年間50回新幹線に乗り、今まで600回以上東京と大阪を行き来してきた。この経験から考えてリニア新幹線が成功するとはどうしても思えない。

静岡県民にメリットなし

辞任した川勝知事は、リニア新幹線が開通しても静岡県民にとって何のメリットもないことを強調して選挙に勝ち続けてきた。

確かにリニア新幹線の止まる長野、岐阜、山梨にはメリットが大きいが、東海道新幹線の駅が6つもある静岡県には何のメリットもない。

現在、東京名古屋間は1時間半ほどだが、リニア新幹線なら40分なので、今より50分も短縮できる。だが工事はすぐに取り組んでも、完成は2034年以降になる。さらに大阪まで延伸するには2045年を予定しているという。

関ヶ原

大阪と東京の文化は関ケ原を境にして明確に異なる。
1600年に行われた関ケ原の戦いは東京の文化と大阪の文化の衝突であり、この場所以外は鈴鹿山脈が東西を明確に分けている。新幹線で通る場合、伊吹山がその目印になる。伊吹山は標高1,337メートルで、冬には琵琶湖が雪を遮らないから東海道新幹線が遅延する難所となっている。

さらにもっと大きな問題がある。大阪に乗り入れるのが2050年頃になると日本の人口は1億2500万人から9500万人になる。そのほとんどが65歳以上になり、ビジネスマンとして活躍する人はいなくなるだろう。

政令指定都市

日本には多くの政令指定都市がある。関東以北には3つの政令指定都市しかないが、関西以西には8つもの政令指定都市があり、大変に豊かだ。
芦屋の平均所得は全国で5番から6番目になる。

芦屋市の隣の西宮市の所得は５００万もあり、市町村の順位でも18位だ。
東京23区の荒川区66位や足立区140位は高級住宅地には思えない。

リニア新幹線の膨大な維持費を考えると恐ろしくなる

トンネルしかないリニア新幹線の中で火災が起こったらどうなるのだろう。
そのための対策の費用を考えただけで恐ろしくなる。

日本には90以上の飛行場がある

飛行機の格安航空券を買えば、日本の何処にでも1万円ほどで行くことができる。

ＪＲ東海は失礼ながら頭がおかしいとしか言いようがない。リニア新幹線の技術は海外に売り込むことも難しい。
500キロという旅客機並みの速度では、地上を走らせるとしたら草原か砂漠しかなく、人口密集地では不可能だ。リニア新幹線の技術は海外に売ることもできない。

もし私がＪＲ東海の社長なら

もし私がＪＲ東海の社長なら、浜松駅に東海道新幹線のぞみ号を1時間に1本停車させるだろう。そうすることで静岡県民は溜飲を下げてリニア新幹線の早期実現に協力しただろう。
しかし時すでに遅し。商売を成功させるためには相手のことも考えなければならない。