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香杏舎ノート

第242回「白内障手術の変遷」

白内障は主に老化によっておこる。長い時間、紫外線を浴びることによって硝子体が白く濁ってしまう。硝子体を取り除き、眼内レンズを入れることによって治療が行われている。

40年くらい前までは眼内レンズがなかったから、術後はひどい近視が残った。そんな事情から昔は漢方での治療を頼まれることがあった。
無論、漢方には一定の効果はあるが、老化で症状が進むので、どこまで薬を飲むかがいつも問題になった。

土生玄碩(はぶげんせき)

昔の白内障治療イメージ図江戸時代後期、眼科の名医として有名であり、かつ商売人として蓄財した土生玄碩の白内障の治療を見てみよう。

彼の白内障手術は消毒のために焼いた木綿針で濁った硝子体を図のように亜脱臼させて光の道を作ってやるものだった。近視は残るが、物が見えるようになる。
無論、江戸時代には高価ではあってもメガネが作られていたので、重要な治療だった。
ただ歳を取ると、瞳が小さくなるので、手術がとても困難になるのが問題だった。

土生がどんな治療をしていたか、今では詳しくは分からないが、おそらくはチン氏帯という水晶体を止めている細い繊維を木綿針で切って亜脱臼を起こさせたのではないかと思われる。
濁った水晶体を亜脱臼させることで光が入るようになる。

シーボルト事件

シーボルトは長崎から江戸に立ち寄った際に眼科医を集めて、ヨーロッパから持ってきたナス科の植物であるベラドンナで瞳孔散大の実験を見せた。

土生はこれを使うとどれほど手術が楽になるかと思い、シーボルトに迫ったが、日本の研究資料を集めることを密かに目的としていたシーボルトは簡単には教えてくれない。そこで土生は将軍から拝領した御紋付き衣服を渡して秘密を聞き出した。

だがそれはベラドンナではなく、ハシリドコロであったが、それにも瞳孔散大の効果があったので、それを用いて多くの手術をした。

後年、シーボルトが持ち帰ろうとした文物に禁制品、日本地図などが含まれていたことが分かり、いわゆるシーボルト事件に土生も連座して8ヶ月間獄に繋がれることになる。

収監される前、賄賂と生活費のために金子を樽2つに詰めて深川の水辺に沈めたと言う。彼は巨万の富を得たが、それは医者として金儲けしたからではない。医者は大金持ちにはなれない。
何故なら医者は患者さん一人一人を診ていかなければならないからだ。彼は株や金貸し、不動産で大儲けをした。

土生は金の亡者で、60歳を過ぎて獄に繋がれても生き延び、80歳過ぎまで生きたというから体力も並外れていたのだろう。
土生の話を山本巌先生から教えてもらい、私も中公新書で読んだことがあり、面白い漢方医がいたものだと笑いあった記憶がある。

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