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香杏舎ノート

第212回「日本漢方って本当にあるの?」

漢方医のあるグループは、腹診(お腹で診断する)を重視し、腹診をすることで使う薬を決めて治療している。そしてそれが日本の漢方の特徴であるとして日本漢方と呼んでいる。そういったことが本当なのか検証してみたい。

入門漢方医学より抜粋(日本東洋医学会 学術教育委員会 編集)

入門漢方医学より抜粋
(日本東洋医学会 学術教育委員会 編集)

腹診は病気があるかどうかを判断するのではなく、体質を見る方法として使われているようだ。
実証(体力のある体質)から虚証(虚弱体質)まで何段階かに分けて薬を投与する。薬は大柴胡湯、小柴胡湯、補中益気湯といった薬で、体質ごとに薬を変える。共通して含まれる柴胡と黄芩を含む物を柴胡剤と呼んでいる。(補中益気湯には黄芩が含まれていないが、日本漢方では柴胡剤の中に入れている。)

この治療の不思議なところは、腹診によって使う薬は決まっているのだが、対象とする疾患が明瞭でない事だ。

この薬を癌の患者さんにもリウマチの患者さんなど多くの病気に使うとは思えない。

腹診で体力の有無などを判断できるとしてもそれが日本漢方の特徴と言えるほど大きな発見ではないし、使う薬は処方名が違うが極めてよく似た成分の生薬が含まれている。

生薬単位で解析してみる

生姜、大棗、甘草、桂枝は省略

生姜、大棗、甘草、桂枝は省略

柴胡と黄芩の単味の生薬丸を使ってその性質を調べてみた。柴胡は弱い鎮静作用、健胃作用、抗炎症作用を持っている。黄芩は抗炎症作用を持っている生薬として広く使われているが、その作用は決して強いものではない。柴胡と黄芩を足すと抗炎症作用が強まり、西洋医学での抗炎症剤と胃薬を足したような処方になる。半夏は咳や痰にいいばかりではなく、消化器系の嘔吐などにも使える薬だ。
つまりこの3つの生薬の組み合わせは上気道炎や感染性胃腸炎などに応用のきく処方になっている。何のことは無い。

別に体力の虚実を判断しなくてもこれらの薬は日常よく遭遇する上気道炎や感染性胃腸炎に広く使える処方だ。私のように生薬を自分で組み上げて病気を治していく漢方医から見ればわざわざこういった薬を使い分けなくてもいいのだと分かる。

表を見れば明らかだが、どの薬もが似通った処方だ。大柴胡湯が実証に使う強い薬という位置づけだが、大黄を抜くとマイルドな処方になる。枳実は理気剤の中で1番強い薬だが、枳実丸を作って虚証の人に使っても何の問題もない。どんな病気に使うかという想定なしに生薬の加減を述べても意味がないが、これだけ似た処方を加減せずにわざわざ個別に使い分ける意義を感じない。

日本の漢方医は生薬を組み上げて自分独自の処方を作る能力を持っていないようだ。そういった人たちが、これが日本漢方の特徴であると主張すればするほど自分たちは能力がないと言っていることに等しい。

腹診や方証相対といった考え方は生薬単位で考えた場合に医学理論として成り立たない。そのような中途半端なものを日本の漢方の特徴だと称するのは適切ではない。私は人がどんな思想を持つのかに興味はないし、腹診は奥深い意義を持った診察方法だと知ってもいる。ただ腹の硬さを見て薬の処方が決まるなどと言えば、それだけで西洋医学の先生は漢方を馬鹿にするのではないかと心配になるのだ。

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