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香杏舎ノート

第130回「華岡青洲と麻酔強盗」

華岡青洲は江戸時代(1760-1835年)の外科医で、世界で初めて麻酔による手術を成功させた。小説「華岡青洲の妻」でその名が知られるようになったので、ご存じの方も多いと思う。麻酔薬を開発するために人体実験をし、妻が失明したというのは余りにも有名な話だ。

彼の使った麻酔薬は通仙散と呼ばれ、曼陀羅華(まんだらけ)(チョウセンアサガオ)、草烏頭(そううず)、白芷(びゃくし)、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)が含まれていた。
当帰、白芷、川芎は今でも漢方で普通に使う薬で、草烏頭(トリカブト)も使うが治療量と中毒量の間が狭く、効かせようと少しでも多く使うとふらつき、眩暈などの症状が出る。もっと多く使うと呼吸困難、不整脈を起こして死亡する。だから使うには漢方医として長い経験が必要だ。
曼陀羅華(まんだらけ)はとても危険な植物で漢方では使用しない。副交感神経の抑制作用があり、意識混濁を起こして死亡する。現在でも誤って食べて中毒を起こしたという報告がされている。

通仙散は華岡青洲の完全なるオリジナルな処方ではなく、中国の三国志の中に登場する華佗が作った麻沸散(まふつさん)を参考にしている。
華佗は今から1800年ほど前、春秋戦国時代に実在した人物だ。魏、呉、蜀が覇権を争っていた時代、魏の曹操は頑固な頭痛に悩まされていて、どんな薬も効かなかった。だが、唯一華佗の漢方薬で頭痛発作がおさまった。曹操は華佗を召し抱えようとしたが華佗が拒否したために殺害した。華佗亡き後、曹操は華佗が残した頭痛止めの薬を惜しんでのんだという。もう誰も同じものを作ることができなかったからだ。
この華佗は麻沸散を用いて麻酔手術をしたという伝説が伝わっている。

もう10年位前になるが、中国で睡眠強盗があった。酒をしこたま飲ませ、睡眠薬をまぜて意識不明にしたところで財布から現金やカードを抜き取るという手口だ。
この麻酔剤として麻沸散が使われた。とても危険な薬だが、泥棒の方としては客が死のうが失明しようが関係ない。
それにしても中国は不思議な国だ。こんな古典的な危険な薬より、西洋薬の睡眠剤の方が簡単に手に入ると思うのだが詳しいことは分からない。

中国人の犯罪者と日本人の犯罪者を比べると、日本の犯罪者のほうが常識をわきまえている。中国人の犯行は荒唐無稽で荒っぽい。

中国である蕎麦屋が大繁盛していた。毎日、長蛇の列ができる。そこの客だった女性はその蕎麦に病みつきになった。しばらく食べないとじっとしていられなくなる。仕事を抜け出して食べに行く。あまりに行動がおかしいので調べると蕎麦屋の汁の中に麻薬が入っていたという。

中国のメラミン入りのミルクの話は記憶に新しい。牛乳を水で水増ししそれをごまかすためにメラミンを入れていた。儲けるためには大手の会社でも平気で悪いことをする。
さらに地溝油というのが売られている。工場排水の中に含まれている油をくみ上げて食用油として売るのだ。
ともかくお金の為なら何でもするのだ。

話は変わるが、麻薬は入っていないものの私には時々好きな食べ物が出来て、それにけっこう中毒になってしまう。それはまるで中国の麻薬が入った蕎麦のようだと思う。

私の最近の中毒例は、神戸元町の新生公司の塩バラという焼き豚だ。焼き豚というと、甘いたれがかかって香ばしく焼き上げられた豚肉を思い浮かべるが、塩バラはバラ肉(三枚肉)に塩と胡椒などの香辛料を肉に塗り付けて焼き上げたものだ。
サムギョプサルを焼き豚にしたとでも言おうか、脂の甘さと塩の味が重なりとても美味しい。ビールのあてによし。薄く切ってご飯に乗せて食べると脂がご飯の熱で溶けてトロトロしてくる。毎週のように買いに行くのが何年か続いた。美味しい物は人に勧めるのが好きなので多くの人に差し上げてきた。

新生公司の塩バラ焼き豚

左にある普通の焼き豚と比べると表面に胡椒などの香辛料が塗り付けられているのが分かる。すぐに売り切れになる人気商品だ。

ある夏の日、志摩観光ホテルに泊まった。レストランの馴染のソムリエに「塩バラというのがあるが、一度試してみないか?」と声をかけた。
そのソムリエは大変なグルメで、ミシュランの三ツ星をもらう前のロオジエもその人から教えてもらって食べにいったことがある。ホテルの厨房に送ったものの内心、嫌がるかと心配した。
次に泊りに行ったとき、話を聞くと、「美味しかったですよ。厨房の料理を温める機械の中に入れて温めて食べました」と言う。さすが分かっている。少し温めると脂が溶けて美味しくなる。
長くハマっていたが太るので、最近は控えるようにしている。

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