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夢の中の老人

第43話「ワインのマリアージュを検証する」

「ワインはデリケートな飲み物で食べ物とのマリアージュ(結婚の意味、相性)が難しいと言われる。横井ソムリエはワイン好きで年間400本ものワインを消費する。そこで横井ソムリエをいじめようと、俺はワインの合わない料理を選んでワインを合わせるように要求してきた」そう言って老人が夢の中から現れた。

「鰻やフグ料理ですね。いつも完敗していますね。鰻にはピノ・ノワール、トリガイの酢味噌和えや鱧の梅肉、フグのアサツキやポン酢も個性的な白ワインや辛めのシャンパンでうまくかわされて、美味しい美味しいと飲んでいましたね」

「横井ソムリエにソルボンヌ大学を出たフランス人ソムリエ、アレックスが助っ人に入ったのが負けの原因だ。
この戦いを通じて俺はいろんなことを学んだ。ワインは繊細な飲み物で、目覚めるのが遅いワインは、飲む何時間も前に抜栓しておかねばならないこと。ワインの温度やワイングラスでも味が変わること。またフランスには日本に入っていない小さな作り手のワインが沢山あり、大手のワインよりずいぶんリーゾナブルな値段で飲めること。アレックスの取り寄せる小さなワイナリーのワインはリーゾナブルで美味しい。
そこで今度は逆に本当に美味しいフレンチに合うワインは何かという、つまり相性の悪い食材にワインを合わせるのではなく、とても素敵なマリアージュは何かということを考えてみたいと思った」

「なるほど。それで」

「これを実現するためにはワインと食材にとても詳しいソムリエが必要だ。その人にこのワインに羊のチーズがいいとかイノシシの肉が合うなどと提案してもらわなければならない。これは横井ソムリエとアレックスに頼めばいい。問題は料理を作るシェフだ。腕が良くないと楽しめない。
そこで知人のフレンチ店のオーナーシェフに頼むことにした。持ち込むワインは7本、出席者は7人、何故7人かと言えば、ワインボトルはワイングラスにして6杯の分量だから6-7人が最適な人数ということになる」

「なるほど。それで」

フランス料理店にアレックスのワインを持ち込む

ワインのマリアージュ研究「そこでシェフに無理を承知で頼みに行った。ワインのマリアージュを研究したいので、ワインを持ち込みたい。
そのワインに合うと思われる食材を書いた紙を渡す(資料1:ページ下へ)から、それを参考に料理を作って欲しい。ワイングラスは1人7個、合計49個必要だ。料理は前菜、スープ、魚料理、肉料理、コーヒー、デザートといった順番ではなく、7つのワイングラスにワインが注がれたら、それに合う料理を一つずつ出して欲しい。デザートやコーヒーは必要ない。
そう頼むと快く引き受けてくれた」

「当日、早めに行って準備を始めた。シェフはアレックスを見かけるとフランス語で話を始めた。パリに4年半ほどいてタイユヴァンにも在籍していたからフランス語が堪能だ。アレックスは明治大学で戦国史を研究していたことがあり、今川義元の研究家だから日本人より日本語が達者なのだが、初対面のシェフは当然そのことを知らない。

生きたオマールエビ、美しい牛肉

ワインの準備が整うと、シェフが料理の素材を持ってきた。生きたオマールエビ、美しい牛肉、そしてサマートリュフだ。料理が運ばれてくると出席者は本当にそのワインに合うのかを他のワインと比べながら楽しんでいく。ワインそのものの個性に惹かれてしまうこともあり、また食材のおいしさに気をとられすぎることもあるが、なるほどワインに深い個性があるように、料理にも面白い個性がある。好みもあるが、確かにワインとの相性は相関しているようだ」

「もう少し詳しく味の表現をして下さい」

「残念ながらそこまでのボキャブラリーは私にはない。アレックスの書いたワインの説明を読んでもらうしかない。ただ印象に残ったのはワインも料理もことのほか美味しかったことだ。むろんワインとの相性もよかった。そこでふとフランス料理が今や絶滅危惧種になっていることに思いを馳せた」

フランス料理店は絶滅危惧種

「フランス料理は絶滅危惧種なのですか?」

「そうだ。20年以上前からホテルの中からフランス料理店が無くなってきている。多くのホテルは地中海料理とかイタリアンの店に衣替えしている。
理由は2つある。まずフランス料理という繊細な料理を学ぶ人が減ったことだ。長い修行を嫌う若者が増えたからだ。2つ目の問題はワインが急騰したことだ。

横井ソムリエはいつも俺のためにブルゴーニュの赤を用意してくれる。俺が熟女系の赤ワインが好きだと言ってだ。確かに俺は年代を経た赤ワインが好きだ。今度のブルゴーニュも22年前のものだ。横井シェフによると、以前はブルゴーニュの赤ワインはそれほど高くなかったが、今は高騰してなかなか手に入らないという。
本来、フランス料理は繊細なワインと繊細な料理の組み合わせを楽しむものだが、それが出来なくなってしまった」

「なるほど。手間がかかる料理はどうしても値段が高くなる。さらにワインが高騰しては料理がとても高額になってしまう訳ですね」

「10年ほど前、イギリスのThe Economistという雑誌を読んでいた。フランス料理店の記事が出ていてレストランの儲けの8割はワインからくると書いてあった。むろんフランスでの話だ。料理は手間がかかるが、その値段を客に説得しにくい。だが有名ブランドのワインは説得しやすいからだろう。ミシュランガイドはフレンチに星を出す条件として一定以上の席数のある店を条件としている。予約が取りやすくするためにはある程度の席数が必要だからだ。そうなると大きな店を維持するのにますます費用がかかることになる」

「なるほど。そういう事情があったのですね」

メニューのないフレンチレストラン

本日のメニュー「シェフの店にはメニュー表がない。店に行けば黒板に書いたコースと値段が書いてあるらしいが印象に残っていない。店には馴染みの客が予約を入れてくることがほとんどのようだ。だから好みを聞いて料理を作っている」

「いいですね。客と直接話をすれば客の好みが分かりますし、料理の反応をじかに見られますものね。どんな料理でも苦手とまでは言わなくても、それほど箸(フォーク)が進まないという料理もありますものね」

客の好みにあわせたメニューで「俺はシェフの生き方は新しいフランス料理店の生き方だということが分かった。コースで値段をつけると、値段に縛られて引き算の料理しかできない。それなら客の好みを聞いて客の好きな料理を出す方が合理的だ。俺は初夏を迎える頃になるとホワイトアスパラが食べたくなる。こういった好みを聞いて料理を作ってくれれば事前に値段の相談もできるし、好きなものばかりを食べることができる」

「なるほどシェフはそういうフレンチの形態をすでに実施しているのですね」

「そうだ。もう一人のアレックスは年間生産量が300本しかないような希少な美味しいワインを仕入れてリーゾナブルな値段で我々に提供している。これは高騰するワインの中で一つの答えを出してくれていると言っていい。彼のワインはネット販売しているから誰でも買うことができる。本当のワイン好きにはとても助かることだ。この今回のワイン会を催して新しいフレンチレストランのあり方を提供しているシェフのアイデアと、美味しいワインをリーゾナブルに提供しようとしているアレックスのあり方が結びつくことが本当のマリアージュだと実感した」

「自分の好きな料理を作ってもらい、好きなワインを持ち込んで飲めるなんて最高ですね」

理想のワイン会

「今まで何度もワイン会を開催してきた。人数は6―7人が理想だという話はすでにした。料理とワインを楽しむためには大人数では難しい。ワインを2―3本持ち込ませてもらって食事を楽しむのが理想的だ。人数が少なすぎると食材のバリエーションを揃えるのに費用もかかる。この会で新しいワインとフレンチを楽しむ提案ができたのではないかと思う」

(*)緊急事態宣言が解除され、兵庫県の感染者がいない状況の中、この会は開催された。感染リスクを減らすため、店は貸切にし、感染防止に努めた。この会での感染者は出ていない。

資料1:ワインに合うと思われる食材

資料1:ワインに合うと思われる食材

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