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臨床日記

51.難病を治す処方を作る 第3話(最終回)

丸薬を作る

生薬の目星をつけたら単独の生薬を飲んでもらう必要に迫られる。しかし、単独の生薬はまずくて飲めない。そこで私は丸薬を使っている。
丸薬は煎じ薬と同じように効く。また丸薬は米を糊として丸い形に整えて乾燥させるから空気が内部に入らない。さらに表面に天然のコーティング剤であるシェラックを塗ると空気も水も通さない丈夫な被膜ができるので、何年も保存できる。

丸薬丸薬を作るための装置はそんなに高くない。試験機なら100ボルトの機械が50万くらいだ。乾燥機が40万くらいだろう。ともかくそれさえあればいちおう丸薬ができる。(私は薬剤師で製薬会社の工場長だった人にアドバイスをもらいながら製造用の機械で生産している。)

単味生薬の丸薬、2-3種類の生薬を混ぜた丸薬、そしてよく効くと思われる処方の丸薬などを作っておき、それを患者さんに飲んでもらい、試していく。私は今までに150種類以上の丸薬を作り試してきた。

煎じ薬で生薬のテストをすることもできなくはないが、生薬によってはとても困難だ。以前、山本先生が漢防已の単味の薬効を知りたくて私の母に漢防已の煎じ薬を出した。
母はとても忍耐強かったが、何度も吐いて続けることができなかった。

15分テストをする

以前から紹介しているように15分テストとは、生薬を飲んでから15分から30分で症状の改善がみられるという山本先生の秘伝だ。腰痛がましになったり、腹痛がましになったり、足の浮腫がよくなったりする。

無論、15分テストができない病態もあるが、丸薬を作っておけば、例えば足の浮腫みをとるのにどの生薬が一番いいか、すぐに判定できる。もし判定できない病態なら試したい丸薬を1週間分処方すればいい。

確率論だけでの生薬の調査

私は本当に効く生薬を確率論だけで探してきた。使用頻度の高い生薬を探してそれをテストしてきた。生薬は純粋の物質ではなく、複数の薬効をもつ。
その薬効で一番強い作用が処方の表から判断できる。解表薬の表からは麻黄であり、清熱薬では黄芩だった。

日常の診療でも新しい処方を作るチャンスは幾らでもある。
ニキビに十味敗毒湯が効き、化膿性皮膚炎に排膿散及湯が効けば、桔梗が化膿性疾患に効くのではないかと想像できる。これに枇杷葉や金銀花を入れれば強力な抗生物質ができる。

西洋医学にも抗生物質があるではないかという人もいるだろう。だが菌交代現象がおこらず、使いやすいだけでなく、一般の抗生物質より効くことを経験することもある。

生薬に対する私の考え方

生薬は複数の薬理作用を持つ物質に過ぎないというのが私の考え方だ。生薬は単なる薬剤であり、それ以上のものではない。

医学が未発達の時代、昔の医者は、脈や舌、お腹で病気を判断しようと考えた。また生薬中の物質を分類するクロマトグラフィーがないので、生薬の味、つまり塩辛いか酸っぱいかで効果を(五味)想像し、体が温もるか冷えるかで(四気)分類した。

病態を把握して、それに合う薬を結びつけるために中医学では陰陽五行論を使い、日本では方証相対という理論が用いられた。方証相対では処方を一つの物質と考える傾向が強く、生薬の分類に言及したものは少ないが、柴胡剤という考え方がある。

柴胡剤

柴胡剤とは柴胡と黄芩の入った処方をいう。四逆散(しぎゃくさん)は黄芩が入っていないが、これも柴胡剤の中に入れている。これらの処方を腹の硬さと体力のあるなしで使い分けるという独特の治療法が日本漢方には伝わっている。

(表1)柴胡剤の処方

これらの処方を分析してみた。
ナツメや生姜、甘草と桂皮は多くの処方に入っているので、それを除いたもので考えてみるとほとんど似通った処方だ。柴胡は弱い抗炎症作用と健胃作用、それに鎮静作用がある。柴胡の炎症を抑える作用は弱いので、黄芩と一緒に使われる。健胃作用も弱いので、半夏と一緒に使われ、鎮静作用を強めるために竜骨と一緒に使われる。日常の診察では、ちょっとした発熱があり、胃が悪く、なんだか不安といった病態はよく経験する。こういった病態に幅広く柴胡剤は効く。

西洋医学にドグマチールという薬がある。弱い抗精神作用と胃薬としての機能をもっている。これにバファリンを三分の一錠入れたような生薬が柴胡だ。柴胡剤は日常よくある症状に広く効く。だから診断しなくてもある程度効果を発揮する。柴胡剤と名付けたほとんど成分の一緒の薬を腹の硬さを見ながら投与していたとしたら、滑稽を通り越してもの悲しくなる。

研究開発するには丸薬しかない

漢方の知識は膨大で、先人たちの残してくれた処方、知恵は大変貴重なものだ。だが、それを一人の人間が一生かかっても消化することはできないだろうし、深い漢方知識を持った先人たちはもうすでにいない。少しでも早く上達し、難病で苦しむ人たちを治す方法は確率論で生薬を分析し、処方を組みなおす以外にないと私は思う。

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