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臨床日記

【 漢方・整体施術 治療症例 】
22. 非定型抗酸菌症

78歳男性 会社社長

3年前、非定型抗酸菌症と診断された。症状がひどかったので、結核に準じる治療を開始したが、吐き気が止まらず、西洋薬を受けつけないことが分かった。

非定型抗酸菌症とは結核菌に似た細菌で、どこにでもいる常在細菌だ。人から人への感染はない。免疫が弱った人が感染する。マック菌とカンサシ菌があるが、マック菌は治しにくい。
治療は抗生物質など、結核菌と似通った治療をするが、完治するのが難しい。咳や痰がしつこく続くことがある。

患者はマック菌で、漢方での治療を求めて受診した。肺に明らかな病巣があるが、オペも嫌とのことだった。

私はどんな薬で治そうか迷った。
基本的に若い人にはない病気で免疫が落ちているのだろうと考えた。私の作った薬の中で、一番免疫を上げるのは癌の患者さん用に作った丸剤だ。

基本処方は通導散だ。多くの癌患者さんの治療に使ってみて、薬の効き方から想像するに、免疫を上げるのだろうと考えている。この丸剤の中には白花蛇舌草や半枝蓮といった癌用と考えられている生薬は一切入っていない。

この薬をつかったところ飲み出してすぐに調子が良くなり、数か月すると肺の病巣も小さくなった。
薬を飲むと体調がいいらしく 、それ以来薬を飲み続けている。

52歳女性 主婦

約1年前、非定型抗酸菌症と診断された。有効な治療法がないので、相談したいと言って受診した。痰と咳がある。黄色い痰が出るという。

やはり癌の患者さんに使う免疫を上げる薬を投与したところ1か月ほどで咳が減ったという。

ところが2か月くらいして疲労すると黄緑色の痰が出たりするという。
そこで感染症に使う、金銀花、桔梗、枳実などの入った丸薬を併用することにした。

すると5か月くらいでレントゲンでの影が薄くなったし、調子がよいという。ただ、経過観察にして薬を止めたいのだが、仕事で忙しいと免疫が落ちるので、薬を減らしたり、または薬を止めるタイミングが見つかっていない。

現時点での考察

非定型抗酸菌症に漢方が一定の効果があるように思えるが、それを治してしまうほどではないようだ。
もう少し免疫を上げる丸薬を作る必要がある。

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