【 漢方・整体施術 治療症例 】
21. 気管支喘息:65歳男性
お酒が好きで、飲み過ぎると咳がひどくなり、さらには喘息が起こってくる。普段は西洋医で気管支拡張薬の吸入剤とステロイドの吸入薬をもらっている。何とかならないかとの相談を受けた。
気管支喘息に使われる漢方薬は麻杏甘石湯とか神秘湯、さらには五虎湯などが使われる。山本先生は小青龍湯加杏仁、石膏、蘇子、桑白皮を使っていた。
漢方薬で気管支拡張作用が強いのが麻黄だ。だから上記の漢方薬にはすべて麻黄が入っている。これが面白くない。麻黄はおそらくはβ2レセプターを刺激するので、気管支は拡張するが、心臓にも促進的に作用して、高血圧や動悸を起こしてくる。こういうものを服用するくらいなら西洋薬の吸入剤のほうがよほどましだ。
では麻黄以外で気管支拡張作用のある生薬はどれだろう?
厚朴、桑白皮、蘇子などに可能性を感じる。それだけでなく、平滑筋を緩める生薬を検討せねばならない。
細気管支の平滑筋と腸管の平滑筋はもちろん異なるが、平滑筋を緩めるという立場から分析を行ってみるわけだ。
厚朴は消化管の平滑筋を緩める作用も細気管支の平滑筋を緩める作用もある。
血管の平滑筋を緩める丹参、釣藤鈎、黄連なども候補に入れて患者さんに協力してもらって処方を作っていった。すると、とても強力な丸薬ができた。これは心臓に対しての刺激作用がまったくなく、大変よく効く。おまけにたくさん飲んでも何の副作用もない。
患者さんは時々この丸薬を少しだけ飲むだけで調子よく暮らしている。
以前、起坐呼吸(息が苦しくて寝転ぶことができない。)の患者さんに大変よく効いたことがあり、印象的だった。
吸入剤がない時代、漢方は喘息に一定の効果があったと思うが、現在の医療の中では、西洋薬より利点のある漢方薬を作らねば漢方薬の存在意義が問われることになる。
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21. 気管支喘息:65歳男性 - 2019年09月01日
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