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香杏舎ノート

第178回「漢方ドックは占いか?」

最近、漢方ドックなるものがあることをテレビで初めて知った。北里大学と東京女子医大でドックをおこなっているという。漢方ドックとはいかなるものだろうか?北里大学のホームページには次のように書かれている。

漢方ドック

漢方ドックでは、脈診、舌診、腹診などの漢方特有の診察方法から『未病』の状態かどうかを「虚実」「寒熱」「気血水」という漢方の概念を、ものさしとして総合的に診断します。
未病とは、まだ病気になっていないが、放っておくと病気になる可能性のある状態のことをいいます。
最近疲れやすい、よく頭が痛くなる、胃腸の調子が良くない、手足が冷えてしまうが、一般的な現代医学的検査で異常がなく、原因が分からない。そんな方にお勧めなのが、当治療センターの「漢方ドック」です。あなたの体質や体の不調の原因を東洋医学的に調べてみませんか?
未病の状態かどうかを診断することで、生活習慣の見直しや漢方治療・鍼灸治療により、病気の予防をめざします。

<引用元>北里大学東洋医学総合研究所HPより

未病とは?

未病という言葉は2000年も前に書かれた黄帝内経にでてくる言葉で、文字通り病気の予兆を感じとり、病気を未然に防ぐという考え方だ。とても素敵な概念だが、実際に未病を診断するのは難しい。疲れやすいといっても加齢のせいかもしれないし、冷え性は生まれつきかもしれない。概念があいまいなだけにどんな状態なら未病だと言うことはできない。

もし未病を漢方的に診断できるのなら、もっと未病が進んだ本当の病気の人は簡単に診断できるはずが、漢方的診断だけで、例えば症状のない癌が発見されることはない。

漢方の診断技術の信頼性

イメージ:疲れやすい未病と診断するための脈診、舌診、腹診といった漢方の診断技術はどこまで正確なのだろう?

今から30年ほど前、私は脈診を学ぼうと必死だった。ある時、漢方医が集まる勉強会に参加した。中国から来た有名な中医師が脈診で患者を診断するというものだった。
中医師の脈診の後、日本の漢方医が代わる代わる脈を診る。その様子を見ていると、みんなの脈診が違うのに驚いた。

脈診、舌診、腹診-すべて診断は主観的そのころソニーの井深氏が東洋医学に興味を持ち、脈波を計測する機械を作っていることを知り、研究所を訪ねた。
初めての訪問にもかかわらず、職員の人が丁寧に対応してくれ、脈波の本を頂いたが、残念ながら詳しい解明はできていないとのことだった。

つまり、今でも脈診は医者の主観的診断でしかない。舌診、腹診も同様に主観的情報でしかない。未病という曖昧な状態を医者の主観による診断で結論を出すというのが、漢方ドックだということになる。

未病診断は占いと同じ

私は、実際の病気の患者さんを治すことに情熱を注いでいる。漢方薬は病気を治す武器であり、優れた武器を作るために苦労している。そういう立場からみれば、曖昧な未病という定義を曖昧な診断技術を用いて診断するということは手相で人生を占うようなものに思える。

漢方的診断が優れていても、こういう症状があれば脳卒中になる可能性がある、癌になりやすいということを診断することはできない。漢方の体質分類はある程度将来の病気の予想になることを十分承知しているが、必ずそうなるという保証はない。

イメージ:占い大学という最高学府が、定義ができていない未病という状態を、五感を使った方法で未病を診断できるというような情報を流せば、一般の人は漢方には摩訶不思議な診断方法があり、それで自分の体調のことをすべて解析できると誤解してしまう。

最近、70歳の女性が体質を診断してアンチエイジングをして欲しいだとか、30代の女性が様々な不定愁訴が漢方の診断だけですべて解決できるように思い込んで受診されることがあった。これも漢方に対する誤解が生じていることを示している。大学はもう少し見識のある治療をして欲しいと思う。

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