【 漢方・整体施術 治療症例 】
15. 網膜剥離(症例2件)
1例目:61歳 女性
右目が網膜剥離を起こしてレーザーで治療してもらったが、水が取れなくて目が痛いという。丸薬を投与して2週間で水が少し引いた。5週間で水は完全に抜けた。硝子体がひきつれて物が歪んで見えるが、キラキラする感じがなくなったという。
薬を止めて2か月するとまた少し水が溜まってきたが、歪みはましになっている。薬を再開して2週間後には水はなくなった。
網膜剥離は網膜に穴が開く病気で、原因は不明だ。穴が開くと網膜の下に水が入り込み、網膜をはがしていくので、レーザーで焼きつけてそれ以上網膜がはがれるのを防ぐ。
この患者さんの場合、自作の漏出液用に作った丸薬に硝子体とのひきつれを治す丸剤を使用した。
2例目:12歳 男性
サッカーボールが目に当って網膜剥離を起こした。2か月半になっても水が引かない。黄斑部に近いところなので眼科の先生は手術をためらっている。網膜に穴は空いていないとのこと。物理的刺激により炎症が起こり、網膜剥離が起こった。
自作丸を投与したところ2週間で水はほとんど引いた。炎症もないという。視力は 0.8 から 1.0 まで戻った。手術はしなくて済んだが、1ヵ月半後もまだわずかに水が残り、念のため治療を継続している。
上記2例は同じ網膜剥離だが、起こり方が全く違う。一方は炎症を伴わないで破れた穴から水が入って網膜をはがしているもの。もう1例は物理的刺激で炎症を起こして水が溜まったものだ。
西洋医学の先生は何かと五苓散を使いたがるが、五苓散は熱病のときに尿が出ない患者を治したもので、一定の利水効果はあるが保険漢方ではあまり効かない。
漢方医は古典を読み、陰陽五行を駆使して治療しようとするが、的外れなことが多い。漢方の処方は古すぎて現代の病気に合うように作られていないから自分で処方を作っていかねばならない。
私は五苓散を構成する茯苓、沢瀉、猪苓、沢瀉などの利水効果を持つ生薬や車前子、防已、竜胆などの生薬を、漢方の生薬分類ではなく、西洋医学の分類に沿って分類して新しい処方を丸薬にして使っている。
つまり1例目は漏出液用に作った丸薬、2例目は浸出液用の丸薬を使って治療した。
少しばかり専門的になるが、興味のある方は次のブログを読んで欲しい。
漢方処方を生薬まで分解し、その一つ一つの生薬の薬効を西洋医学の分類で組みなおして新しい処方を作れば強力な薬ができるだけでなく、中医学とか日本漢方といった考え方も要らなくなる。漢方の利水剤は電解質のバランスを崩すこともなく、長期に使用できるのが利点だ。
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15. 網膜剥離(症例2件) - 2019年06月01日
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