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香杏舎ノート

第46回「情報中毒」

最近、テレビや雑誌などで健康に関する話題が頻繁にとりあげられている。健康によい食べ物、体操や運動、名医の診察などあらゆるものが話題になる。こういった健康情報がなぜ多いかというと、お年寄りが増えて健康に関心を持つ人が増えてきたからだ。 またマスコミのほうにも健康に関する情報を流す事情がある。健康は差し障りのない扱いやすい話題であり、また取材もしやすい。こんなわけで健康に関する情報が氾濫する結果になっている。さまざまな情報に触れることができるのは結構なのだが、こういった情報に振りまわされる可能性もある。

情報の禁断症状

そもそも情報や知識というものは、自分に必要なものを探し出す努力をして身につけるものだ。だが今はあまりにも受け身の情報が多い。たとえば家庭でテレビを見るでもなく漫然とつけている。車の運転をするときでもラジオでニュースを聞き統けている。このように受け身でとりとめもなく情報を取り入れていると面白い現象が起こってくる。

まず少しでも情報がなくなることに不安を覚えるようになる。たとえばトイレで排便する時間も退屈しないように新聞をもって入る。電車に乗るときもスポーツ新聞や週間誌を買い求める。何もない時間をすごすのが嫌で友達に電話をかけて退屈をしのごうとする。何か面白いことがないか探し回るようになる。何かを知りたくで本を読んだり、テレビを見たりするのではなく、空白の時間ができるのが嫌な感じになる。

もともとマスコミで流れる情報というのは、私たちが必ずしも必要としている情報ばかりではない。どこかの女優さんが離婚しようとしまいと関係ないはずなのに、毎日ワイドショウで見ていると成り行きが気になって翌日もテレビを見てしまう。そんなことを繰り返しているうちに面白いことはないかと刺激を求める癖ができる。

ローマ人は奴隷を闘わせて殺人を楽しんだ

頭というのは貪欲に刺激を求めるところがある。殺人、事故、離婚、金銭トラブルなど日常では味わえない衝撃を楽しみたい。
映画や芝居での空想の物語ではなく、現実としての迫力が欲しくなる。ローマ人は退屈をまぎらわすために奴隷同士の殺人を観戦して楽しんだ。現代人はそんなに野蛮人ではないと思っているかもしれないが、そうでもない。衝撃の映像フラッシュという題名で、殺人、事故など現実の映像を我々も見ているからだ。

知ったつもりになる

マスコミが情報を伝えようとしても時間や活字の枠がある。だから一番刺激的な部分だけを伝えようとする。たとえばマッサージの治療をしているところをテレビで放送するとしよう。患者が痛みで悲鳴をあげているところが一番面白い。そこだけを放映する。それを見た人はマッサージは痛いものだと思ってしまう。

私は医者という職業がら臨終の場に立ち会う機会が多い。臨終もドラマや映画で見るものとはまったく違う。人の死はあっけないほど簡単で淡々としたものだ。それがゆえに悲しみも深いのだが、人はテレビで見るドラマチックな臨終シーンを現実だと思ってしまう。

受け身の情報ばかりにさらされていると自分で考えなくなる。刺激的な情報をおいかけているうち必要な情報がわからなくなり、自分の考えを持たなくなる。そして被暗示性が高まる。たとえば「食ペて痩せるダイエット」などと聞くと、それはすばらしいと思う。そんなうまい話があるはずもないとは考えなくなる。

人との対話ができなくなる

大学で講義をしていると、講義中に物を食べたり、隣の人と会話したり、勝手に講義室から出たり入ったりする学生がいる。
「最近の学生は行儀が悪いね」と後輩の教師に言うと、学生は講義を聞いている感覚はなく、あたかもテレビを見ている感覚なのだという。たしかに講義をテレビと思えば、勝手に席を立ってトイレにいくのも、物を食べたりするのも納得できる。だから質問もしない。ずっと受け身の情報に慣らされてきたためなのだろう。こういう人たちが他人との会話がまともにできるはずもない。

耳ざわりな情報は流さない

嫌な話は誰でも聞きたくない。当たり前の話も面白くない。「ダイエットするためには食事制限をしなければいけない。」こんな話、誰も聞きたくもない。その辺はマスコミもよく心得ていて、耳障りのよい話ばかりが流れてくる。恐怖心をあおるような情報は流れてくるが、嫌な情報は流れてこない。

もし自分から知識や情報を求めていけば、たとえそれが嫌なものでも必要なら受け入れることができる。本当に情報を生かそうとするなら受け身の態度では決してよい結果を生まないはずだ。

情報を断つことがいい結果を生む

情報が氾濫すれば頭が疲れる。たまにはテレビを消し、新聞を読まず退屈に時間を過ごすとよい。そうしてから自分に必要な情報は何かを考え直す。こういったことを時々繰り返すことで頭の健康を保つことができると思う。

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